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 「急成長企業の資金調達に関し,男性の起業家は銀行の融資を受けるケースが多いのに対し,女性起業家は商工ローンなどの融資の利用率が高い。銀行の融資を利用する人の割合は,男性が52%と半数を超えているのに対し,女性経営者では39%にとどまっている」。米国の女性経営者の業界団体「National Foundation for Women Business Owners(NFWBO)」が米国時間2月27日に,急成長企業の経営者についてまとめた調査結果を発表した。

 調査は,売上高および従業員数が過去3年間にわたって年30%以上成長している企業を「急成長企業」と定義して,その経営者を対象に調査を実施したもの。男性592人,女性602人の合計1194人から回答を得た。

 金融サービスの米FleetBoston Financial,新興企業向け情報サービスの米Edward Lowe Foundation,起業家支援サービスの米Kauffman Centerの3社が調査結果の分析などで協力した。

 急成長企業を経営する女性は,伝統産業の企業を経営する女性よりも多くの金融機関を利用して事業資金を調達する傾向があるという。この傾向は男性も同様で,男女ともに急成長分野における資金需要が大きい。

 資金の調達に個人のクレジット・カードを使う人の割合は,男性経営者の21%に対し,女性経営者では32%だった。

 「借入金返済や株式の発行などについて十分な知識を持つ女性経営者が,急成長事業を手掛ける事業主として成功する」(FleetBoston Financial社Woman Entrepreneurs' ConnectionディレクターのTeri Cavanagh氏)。

 NFWBOによれば,成長率が最も高い分野はハイテク関連ではなかった。調査を行ったハイテク企業のほとんどは,「急成長」(年成長率が30%以上)のカテゴリに入らなかったという。「ハイテク企業は急成長しなければならないということもない」(NFWBO)。

 ハイテク企業における急成長企業の割合を経営者の男女別でみると,女性が経営するハイテク企業の48%が「急成長」のカテゴリに入り,男性が経営する企業の28%を大きく上回った。

 またハイテク企業を事業分野別にみると,女性が経営するハイテク企業はバイオ・テクノロジ関連や生命科学といった分野の企業が多い。一方でIT関連では男性の経営者が圧倒的に多い。

 急成長企業の女性経営者について,Edward Lowe FoundationのExecutive Director,Mark Lange氏は以下のように述べている。「伝統産業の女性経営者と比べ,独立の願望や事業資金獲得への意向が強い。また,起業家全体と比べ,学歴が高く,年齢は若い」と分析する。

 またKauffman Center,Women's and Venture Capital InitiativesのディレクターTrish Costello氏は,「急成長企業の女性経営者は,男性の経営者よりも,仕事や生活で多様な経験を積んでおり,起業家としての素地や管理職/役員としての経歴,または過去にも事業を興した経験などを持つ」と指摘する。「女性起業家にとって,知識や情報などのほかに,“起業家精神”についての指南役となる相談相手や先輩を持つことが事業の成否の決め手となる」(Costello氏)。

 出資を受けるなど資本提携を結び,外部から経営に参加させている起業家の割合は,男性が49%,女性は28%。「男性と比べ女性起業家は,会社の所有権を第3者に与えたくないと考えているようだ。しかし高成長のためには,たとえ株式の一部を手放すとしても,増資が重要な手段であることを女性企業家は認識すべき」(NFWBOの会長で米Regent Capital社長のMcLemore氏)。

 また技術革新への注目が高まる一方で,インターネットや電子商取引について「非常に重要である」と考えている経営者(男女)はわずか20%にとどまった。「今後5年間における企業の高成長」を第一の経営目標に掲げている成長志向の経営者でさえ,WWWサイトを構築している割合はわずか44%にとどまった。「高成長」以外の経営目標を掲げる企業でのWWWサイト所有率は1/3に満たない。

 そのほかの調査結果は以下の通り。

・「急成長企業」のうち,年商が100万ドル以上の企業は全体の21%。
・急成長企業の会社経営に関し,外部の会計士などのコンサルティング・サービスを利用している人の割合は,男性の経営者の44%に対し,女性経営者は60%。
・成長志向の企業は,そうでない企業と比べ,「設立から年数が浅い」「売上高が高い」「従業員数が多い」という特徴がある。

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