米国時間3月8日,米Dell Computer社と米etrieve社は携帯電話を使って電子メールを利用できるサービスで提携関係に入ることを明らかにした。主に中小規模の企業が対象。ユーザーは携帯電話で電子メールの読み上げや返信などのサービスを受けられる。
今回の提携により,Dell社はサーバー用ソフト「Dell Mobile Office Server」に,米Microsoftの「Exchange Server」対応のetrieve社製ソフトウエア「etrieve for Microsoft Exchange Server Edition」を組み込んで販売する。Dell Mobile Office Serverが,社員当ての緊急電子メールを受信すると,携帯電話でその社員に通知する。通知を受けた社員がetrieve社のサービスに携帯電話から接続すると,電子メールの内容をコンピュータによる合成音声で聞くことができる。この際,音声で応えた内容は,メールの送り手にオーディオ・ファイルとして返送される。
こうしたetrieve社のサービスは,Web対応携帯電話機からのアクセス,セキュリティ機能を持つWebサイトにも対応するという。
Dell社はDell Mobile Office Serverをプリインストールしたサーバー機「PowerEdge 300」の販売を開始した。価格は3631ドル。20ライセンス分のetrieve for Microsoft Exchange Server Editionが組み込み済みで,3ヵ月間のetrieve社による応答サービスが受けられる。OSはWindows NTまたはWindows 2000。etrieve社サービスの年間契約も可能。年間契約には20ライセンス,50ライセンス,100ライセンスを用意する。
etrieve社はIgnition社,ソフトバンクの米国子会社Softbank Venture Capital,Madrona Venture Group社,Timberline Ventures社,Venture Partner AG社が共同出資して1998年に設立。オレゴン州Hillsboroに本社を置く。携帯電話機を使って企業情報にアクセスするための無線技術やテキスト読み上げ技術,サービスなどを手がけている。
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