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 米Napsterと米Gracenote(旧名:CDDB)が,著作権を侵害する楽曲のファイル交換停止に向けて協力体制を敷いた。Napster社が米国時間3月13日に明らかにしたもの。

 Gracenote社は「Music Recognition Services (MRS)」と呼ぶサービスを手がける会社。インターネット上で音楽CDのアルバム名,著作者名,トラック情報などを登録したデータベース,「CDDB(CD Database)」を運用・公開している。

 米レコード協会(RIAA:Recording Industry Association of America)は米国時間3月9日までに約13万5000曲にのぼる著作侵害楽曲のリストをNapster社に提示していた。しかし米メディアなどが,Napster社のフィルター機能はまだうまく働いていないと報道(InfoWorld)するなど,同社のフィルター・システムに対する懸念の声が高まっていた。

 Napster社のファイル交換システムでは,スペルミスや文字列順序の違いを考慮したあいまい検索が可能である。つまりユーザは名称に多少の違いがある楽曲であればダウンロードできてしまう。Napster社はこれらの“変種”ファイルをいかに遮断するかという問題を抱えている。

 Napster社では,Gracenote社の協力によりフィルター・システムを強化できるとしている。「Gracenoteのデータベースには25万のアーティスト名に対し14万のバリエーションを収録している。また900万アーティスト名/タイトルの組み合わせに対するバリエーションは300万以上ある」(Napster社)。

 Gracenote社の文字列照合技術により,名称などが完全一致するファイルのほか,発音の一致するファイル,文字列順序の異なるファイルなども取り除くことができるという。

 Napster社によれば,同社とGracenote社の技術者はすでにGracenote社のデータをNapster社のフィルタリング・システムに組み入れる作業を始めており,作業は来週中の完了を目指してスケジュール通りに進んでいるという。

 北カリフォルニア連邦地裁は米国時間3月6日にNapster社に対する仮処分命令を下した。この命令により,Napster社は著作権侵害にあたるファイルについての情報を得た場合,3営業日以内に該当楽曲の索引を削除することが義務づけられている。またレコード会社(原告)側には著作権侵害にあたる楽曲について,そのタイトルや,演奏者・歌手名,ファイル名などの情報をNapster社に提供するよう義務づけている。

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