米IBMが米国時間3月20日に,クラスタ・ソリューション「eServerクラスタ」を発表した。開発コード名「Blue Hammer」と呼ばれていたもの。AIXとLinuxに対応する。
「スーパーコンピュータ“SP”のクラスタ管理ソフトや大規模ファイル・システムの技術をラックマウント型サーバーでも使えるようにする」(IBM社)が売り物の一つ。32台のサーバーを1台のワークステーションからコントロール可能になる。
「WWWサーバーからERP(Enterprise Resource Planning)やCRM(Customer Relationship Management)アプリケーションなど企業のITインフラを密に連携する」(IBM社)。
Linux対応版は,PCサーバー「eServer x330」(2ウエイ)を使って最大32台のクラスタ構成が可能。Fortune 1000などの大企業における,ERP,CRM,ビジネス・インテリジェンス,大規模WWWサーバーといったアプリケーション統合に向ける。
AIX版は,「M80」(2~8ウエイ)または「H80」(2~6ウエイ)を使った最大32台のクラスタ構成が可能。膨大なサーバーを抱えるInternet Service Providers (ISP) やApplication Service Providers (ASP),また金融サービス企業や大容量のデータ処理能力を必要とする生命科学関連企業などに向ける。
eServerクラスタを使用することにより,ミッドレンジ・サーバーのM80やH80を大規模サーバー「eServer p680」や「S80」とクラスタ接続することが可能になる。また,M80,H80,S80,p680を直接スーパーコンピュータ「SP」に接続することもできる。
eServerクラスタの中核となるのは,SPのクラスタ管理ソフトウエア「Parallel System Support Programs (PSSP)」とファイル・システム「General Parallel File System (GPFS)」。PSSPはクラスタ接続したすべてのサーバーにおけるハードウエアの監視やファイル同期化の管理を可能にする。GPFSはサーバー上のファイルへのアクセス機能を提供する。最大9Tバイトの容量に対応する。
IBM社は「zSeries」や「pSeries」向けのLinux対応クラスタ・ソリューション,pSeries向けのUNIX対応クラスタ・ソリューションも計画している。また将来のLinuxおよびUNIX対応版では,256台のクラスタ構成を狙うという。
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