富士通と傘下の電子商取引向けソリューション・プロバイダ米Glovia Internationalが現地時間4月5日に,「glovia.e framework」と呼ぶ世界規模での電子商取引に向けた協業システムの新たな枠組みを発表した。販売や製造,物流,決済サービスを統合したカスタム・ソリューションを提供するソフトウエア群とコンサルティング・サービスからなる。
「世界規模での事業展開で,対応が必要となる言葉や通貨,規制の違い,さらに距離や時差などといった点でのサポートを提供する。国をまたがる事業での支障を最小限に抑えることができる」(両社)
「glovia.e」では,海外市場での商取引や発注管理などに向けたWWWシステム「Global Order Management System」を提供する。顧客向けの発注システム「eOrder」,発注状況を確認する「eStatus」,販売記録を管理する「eQuote」の3製品から成る。1つのシステムで複数の外国語,通貨でのトランザクションに対応する。価格設定,スケジュール管理,納品,売上税・関税計算などの機能も備える。
例えば,日本企業が日本から日本語で部品を発注し,ブラジルの工場からメキシコへ納品させるという場合には,まず注文書が(ブラジルの母国語である)ポルトガル語に自動変換され,工場のサプライヤは在庫情報を自動返答し,ただちに決済処理される。製品がメキシコに出荷される際には,必要書類等はスペイン語で届けられる。
「インターネットは,サプライヤからバイヤーへのパワー・シフトをうながした。その結果,(サプライ・チェーンに加え)“デマンド・チェーン”というニーズが生み出されている。つまり,サプライ・チェーンへの対応だけでは『50点』で,グローバル市場での電子商取引事業には,“デマンド”に応じた情報をリアルタイムに提供するアクセスが必要となる。Global Order Management Systemはここに焦点を置いている。glovia.eは,サプライ・チェーンとデマンド・チェーンの連携を最適化する,SCMの一歩先を行く製品である」(両社)
Glovia社は同日,「glovia.e」の提供を始めた。同社が米国と欧州市場におけるマーケティングおよびコンサルティング・サービスの提供を行い,富士通が日本およびアジア市場を担当する。
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