米Microsoftが米国時間4月5日に,サービスの強化を図る組織の再編を明らかにした。組織の変更を行ったのは,.NET Services部門とMSN部門。「市場に強力な製品を投入しつつ,サービスの提供力を高めていくために,段階的に組織の再編を進めていく」(Microsoft社CEOのSteve Ballmer氏)。
まず,.NET Services Groupを新たに「Personal Services Group」と名称を変更し,「Personal.NET」チームを新設した。「Personal.NET」チームは,消費者向けの有料サービスを開発する。サービスにはMSNサービスをはじめ,「Encarta」「Money」「PictureIt!」などのソフトウエアが含まれる。
Personal Services Group全体としては,バックエンドの統合サービスに向けたインフラの開発および管理にあたる。WWWサイト/サービス向けに,相互運用性を確保したバックエンド・ツールを提供する。.NET Services部門担当副社長のBob Muglia氏が引き続き新部門を統括する。
さらに,MSN Groupを新たに「MSN & Personal Services Business Group」とし,個人ユーザー向けサービスを強化する。MSN部門担当副社長のYusuf Mehdi氏が引き続き統括責任者として指揮を執る。MSNサービスおよびMicrosoft社のソフトウエア・サービスに向けたネットワーク・プログラミング,事業開発,海外営業,マーケティングに取り組む。
「WindowsとOfficeの提供に引き続き力を入れる。また,企業および消費者向けの付加価値サービスを提供するソフトウエア・サービス・プラットフォームの構築にも注力していく」(Microsoft社CEO,Steve BallmerBallmer氏)。
なお同社は2001年2月に,Rick Belluzzo氏がコンシューマ事業副社長から社長件COOへ昇格するなどの新人事と組織の一部再編を発表している。この際に,Ballmer氏はCEO職に専念するとして社長職を退き,事業戦略の決定や製品開発の統括などに注力することを明らかにしている。
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