米EDSの子会社でマネジメント・コンサルティングを手がける米A.T. Kearneyが米国時間7月23日に,技術関連企業の立地選択について調査した結果を発表した。それによると,企業の上級幹部は技術関連企業の拠点を選ぶ際に,「熟練し経験豊かで技術に精通した人材が得られること」「生活の質」「物価」の3要素を最も重視するという。

 調査ではFortune500社の上級幹部を対象に,望ましいと思われる九つの項目に優先順位をつけてもらった。それらの項目を米国の15都市に当てはめたところ,望ましい要素を持つ割合が最も高かったのはテキサス州オースチン市。以下,アトランタ市,サンフランシスコ市ベイエリア(サンフランシスコ市とサンノゼ市を含む),ダラス市が続いた。

 「意外なことではないが,技術経済を確立している都市が最高点を獲得した。“煙突経済”が支配していたり,地方行政のサポートに欠けている都市は,認識を改めなければならない。鍵は,人材,ライフスタイル,物価だ。技術立地を奨励したければ,これらに注力するべきである」(A.T. Kearney社CEOのDietmar Ostermann氏)。

 技術企業を設立する際の重要項目は以下の通り(優先順)。

熟練し経験豊かで,技術に精通した人材が多く得られる
生活の質(気候,交通の混雑度,余暇,芸術および文化などを含む)
生活コスト(住宅費,住宅供給率,物価)
優秀な人材を供給し,研究活動を行える大学がある
空港や大量輸送機関など,その地域の交通網の整備
「支柱」的企業があり、技術や企業活動の中核やサポートを担っている
地方行政がしっかりしており,事業成長や労働力の開発,生活の質の向上に取り組んでいる
州/地方の税制度
ベンチャー企業基金やその他の資金が利用できる

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