米Lucent Technologiesが米国時間7月24日に,米国内の二つの工場を電子機器設計製造請け負いサービス(EMS:electronics manufacturing service)企業であるカナダのCelesticaに売却することで,両社が合意に達したことを明らかにした。

 Lucent社が売却するのは,オクラホマ州オクラホマ・シティおよびオハイオ州コロンブスに擁する工場施設。売却金額は合わせて5億5000万ドルから6億5000万ドルとなる見込み。支払いはキャッシュにて行われる。手続きは2001年9月まで(Lucent社会計年度の2001年第4四半期中)に完了する予定。

 両社は,Celstica社をLucent社の製品を製造する主要EMSベンダーとすることで5年契約を結んだことも明らかにした。金額は最大で100億ドル規模となる予定。

 両工場の売却はLucent社が2000年秋から進めている大規模なリストラ策の一環となるもの。なお,Lucent社は同日,光ファイバ・ソリューション事業を古河電工と米Corningに27億5000万ドルで売却することも明らかにしている

 Lucent社は同日発表した2001年4~6月期(同社会計年度2001年第3四半期)決算で,32億5000万ドルの赤字を計上,1株当たり損失はアナリストの予想を上回る95セントだった(資産売却など特別費用含む)。これに伴いLucent社は,リストラ策の一環として進めている人員削減をさらに拡大する計画についても明らかにした。

 具体的には,1万5000人から2万人を追加削減する。リストラ費用は70億ドルから90億ドルとなる見通し。2001年1月時点の同社の従業員数は10万6000人で,リストラ実施後は6万1000人程度となる。

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