光ファイバ最大手の米Corningが米国時間10月4日に,ペンシルバニア州North WalesのDeeside工場を閉鎖する追加のリストラ策を発表した。同工場の従業員436人を削減する。

 「北米,欧州での光ファイバの需要がさらに悪化しており,これに対応するための措置」(Corning社)。

 Corning社は前日の10月3日に,2001年第3四半期の業績が事前の予測を下回るとの下方修正を発表しており,世界各地で一部の工場を閉鎖し,追加の人員削減を行うとのリストラ策を明らかにしていた。4日のDeeside工場閉鎖の発表はこのリストラ策の具体的な内容の一部となるもの。「今後も工場を対象とするリストラ策を打ち出していく」(Corning社)。

 Corning社によれば,第3四半期の業績は事前の予測12セントに対し,1株当たり利益(Pro formaベース)が2セントから6セントにとどまるという。さらに,第4四半期は赤字に落ち込む見通しであるとしている。同社の人員削減は2001年末までに1万2000人規模となる見込みで,このための特別経費として最大10億ドルを計上する。2001年における従業員数はピーク時で4万3000人だったので,1万2000人は全社員の約28%に当たる。

 なおCorning社は,これまでにもPhotonic Technologies事業部門の複数の工場を閉鎖,合計8000人規模の人員削減を行うというリストラ策を発表していた。今回の発表は,従来のリストラ策をさらに拡大するものとなる。

 Corning社は世界で5カ所に光ファイバ工場を擁しており,Deeside工場はその一つである。1998年11月にBICC社から50%の株式を取得した。その他の工場は,米ノース・カロライナ州のWilmingtonとConcord,ドイツのNeustadt Bei Coburg,オーストラリアのNoble Parkの4カ所にある。

 なお仏Alcatelも前日の10月3日に,光ファイバ事業と海底ケーブル・ネットワーク事業を対象に追加のリストラを行うことを発表している。Alcatel社の光ファイバ部門では世界全体の17%にあたる887人を削減する。

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