「IT業界においてはハードウエアやソフトウエアが脚光を浴びているが,エンド・ユーザーのITサービスに費やす金額は多い」。米Gartnerが米国時間10月9日にフロリダ州レイクブエナビスタで開催中のGartner Symposium/ITxpoで,ITサービス市場に関する調査分析結果を明らかにした。
2000年においては,企業は全IT支出の40%以上をITサービスに費やしたという。この割合は2004年には45%にまでになると同社は予測する。
「ITサービスは,技術やインフラをビジネス・ソリューションへと変化させる役割をもつ。これにより企業が自社のゴールをより効率的な方法で達成できるように手助けする」と同社Dataquest部門のIT services worldwide副社長兼ディレクタのJennifer Beck氏は説明する。
なお今後成功する企業とは,マルチソース環境という概念を受け入れ,IT技能の再教育を行い,外部のサービス・プロバイダ(ESP:external service provider)の効率的な管理や最適化を行っていく企業という。
過去3年間の同社の調査結果をみてもESPの利用が伸びていることがわかる。調査対象となったの56%が独立した外部のコンサルタントを活用することに興味を示しており,またアウトソーシング戦略についても様々なものを検討しているという。半数以上がESPとのジョイント・ベンチャーに意欲をもっていることもわかっている。
ESPについては,個々のサービスに向けた明確で専門化したビジネス・モデルを開発するESPが最も成功するという。
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