米国企業の経営幹部が参加する事業者協議会Business Councilが米国時間10月25日に,大手米国企業のCEOを対象に行った「米国経済の現状と見通し」に関する調査結果を発表した。米国経済が景気後退に陥っていると考えるCEOは97%。また,景気後退は9月11日の同時多発テロ事件より前から始まっていたとするCEOが89%だった。

 不景気がいつまで続くかについては,「2002年半ば」と「2002年末」に意見が分かれた。2002年末以降も続くとみる回答者はわずかだった。

 67%の回答者は,“V字型”回復にはならないと考えている。ほとんどの回答者は2002年のGDP成長率を1~3%と予測。失業率のピークは2002年で,5.5%~6.6%に達するとみる。ちなみに現在の失業率は4.7%で,昨年は3.9%だった。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・経済状況の変化に対応するために行った施策としては,「資本支出の削減」(68%),「人員整理」(34%),「新規雇用の抑制」(47%)のほか「給与据え置きまたは昇給率の引き下げ」などが挙がった。

・企業の約50%は事業の拡充計画を先送りにしたという。大幅な事業戦略の変更を行った企業はわずか10%だった。1/4は「戦略を変えるかどうか判断するには早すぎる」と回答した。

・同時多発テロの影響としては,ほとんどの企業が「セキュリティ経費の増加」や「出張などのビジネス・プラクティスの変更」を行った。こうした対策による影響が大きいとする企業はわずか5%で,ほとんどの企業は「コストが減少」(54%)または「変化していない」(20%)という。テロ事件以降の事業コストが増加するというおおかたの予測に反する結果だった。

・回答者は,米国経済より世界経済に対して悲観的である。66%の回答者は,2002年における世界経済の成長が減速するとみている。とりわけ日本経済についての懸念が大きく,日本は2002年も引き続き景気が後退するとみる回答者は約50%。欧州に関しては,2002年に景気後退に陥ると予測する回答者はわずかだった。最も期待できる市場は,日本を除くアジアだという。

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