米Dell Computerが米国時間10月29日に,デスクトップ・パソコン「SmartStep 100D」を発表した。顧客の注文を細かく聞いて組み立てるBTO(build-to-order)を売り物にしてきたDell社だが,「SmartStep 100D」は基本構成のスペックを予め決めている。モニターやスピーカのほか,6カ月間のインターネット接続,サービスおよびサポートが付属して価格は599ドル。すでに販売を始めている。
家庭ユーザーはwww.dell4me.com/SmartStepPCまたはフリーダイヤル(800/388-8542)で,小企業はwww.dell.comで注文できる。
家庭ユーザー向けの基本構成では,動作周波数1GHzのCeleron,128Mバイトのメモリー,20Gバイトのハード・ディスク装置,スピーカ,15インチ・モニター(表示可能領域は13.8インチ),モデムを装備。米America Online(AOL)のインターネット接続サービス(6カ月)が付く。
OSは米Microsoftの「Windows XP Home Edition」。デジタル音楽ソフトウエア「Music Match」やデジタル写真用ソフトウエア「Dell Picture Studio」が付属する。90日間の保証が付くが,50ドル追加料金を支払えば1年間保証を受けることができる。
小企業向けには,モニターなしの構成を用意する。Ethernetネットワーク・カードを装備し,OSは「Windows 98 SE」。1年間の保証が付く。
パソコンの価格戦争に火をつけ,積極的な価格攻勢でシェアを拡大するDell社だが,599ドルはこれまでの最低価格をさらに抑えたもの。米国市場における価格戦争としては,最近米eMachinesが399ドル(払い戻しサービス75ドル分を含む)の「T1090」や499ドル(同)の「T1100」などを投入しており,Dell社は「新価格」の提供でこれに対抗する。
eMachines社のT1090は,Celeron 900MHz,128MバイトSDRAM,20GバイトのHDD,56kbpsの内蔵ファクス・モデム,48倍速CD-ROMドライブ,T1100は,Celeron 1GHz,128MバイトSDRAM,20GバイトのHDD,56kbpsのファクス・モデム,8倍速CD-RWドライブ。いずれもモニターは含まない。
米International Data Corporation(IDC)発表の速報値によれば,2001年第3四半期のパソコン市場は前年同期比13.7%減。2位の米Compaq Computerが50.9%減,3位の米Hewlett-Packardが33.2%減と大幅に落ち込むなかでDell社は同5.9%増と唯一プラス成長を記録,競合各社をさらに引き離し,「一人勝ち」の状態が続いている。シェアはDell社26.4%,Compaq社10.7%と大きく開いた。
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