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 米WorldComは米国時間7月21日,米連邦破産法11条(チャプター11:日本の会社更生法に相当)の適用を申請した,と発表した。同社と,米国で事業展開しているすべての子会社がニューヨーク南地区破産裁判所に同破産法の適用を申請したもの。

 これにより同社および同社子会社は通常の業務を継続しながら「会社再建に向けて最大限努力していく」(WorldCom社)としている。

 6月25日に巨額の粉飾決算が発覚したWorldCom社は,取引銀行団から資産の差し押さえを求められるなど,資金調達が困難な状況に直面していた。

 同社の総資産は1038億ドル。資産規模では,昨年末に破たんしたエンロンを大きく上回る米史上最大の倒産となった。

 なお同社の米国以外の子会社は同破産法適用の対象外とし,「今後もこれまで通り事業を継続していく」(WorldCom社)という。

 WorldCom社は同日,米Citibank, N.A,米JP Morgan Chase Bank,米General Electric Capitalなどから,20億ドルのDIP(Debtor-in-Possession:占有債務者)を受けるための合意を取り付けたことも明らかにした。このうち7億5000万ドルという具体的な金額については,すでに3社の承認を得ているという。

 なお,このDIP融資を受けるためには今後,破産裁判所の承認を得る必要がある。承認が得られれば「(この融資額で)破産法適用手続き期間中のキャッシュ・フローを補完する。これにより,事業の継続,新戦略計画の展開,財務の再構築,債務負担の軽減などを図る。また従業員の給与支払いなど通常業務に関連する支払いにあてる」(同社)。

 これについてWorldCom社社長兼CEOのJohn Sidgmore氏は次のように述べている。「連邦破産法11条が適用されれば,我が社の債権者を救済し,従業員には職を確保し,顧客に対しては質の高いサービスを継続して提供することができる。この期間に組織再編を実行し,優れた財務状態と目標を取り戻す」(Sidgmore氏)

 WorldCom社は現在65カ国に6万人以上の従業員を抱え,居住者および企業顧客は2000万件にのぼる。また,「世界最大のインターネット・ネットワークを運営している」(WorldCom社)。

 「我々は,WorldCom社をできる限り最良の方向へ進めることに焦点をあてる。WorldCom社が経済において引き続き重要な役割を果たすよう,全力を尽くす」(Sidgmore氏)

 また同社は,Nicholas deB. Katzenbach氏とDennis R. Beresford氏を新たに役員に選出したことを明らかにした。弁護士であるKatzenbach氏は,米司法長官(1965~66年),米国務次官(1966~69年),米IBMの副社長兼顧問(1969~86年)を務めた経歴を持つ。

 一方のBeresford氏は現在Terry College of Businessとジョージア大学の会計学教授を務めており,かつては米国財務会計基準審議会会長(1987~97年)に在籍した。両氏は,「これまでWorldCom社の業務とは関わったことがない」(WorldCom社)。

 両氏は今後,特別調査委員会(Special Investigative Committee of the Board)に加わり,独立した立場で,WorldCom社の会計プラクティスの見直し,財務報告の作成に尽力していく,という。

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