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 米DuPontと米Sarnoffは,プラスチック製サブストレート上に有機TFTを形成するための技術を共同開発することで合意した。DuPont社が米国時間10月29日に明らかにしたもの。有機LEDを使ったディスプレイの製造を目指すという。「将来ポリマー・ベースのフルカラー・アクティブ・マトリクス有機LEDなど柔軟性を持つ表示機器を商品化するにあたり,有機TFT技術は大きな進歩となる」(Dupont社)

 両社による共同開発は,米国商務省の国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)の「Advanced Technology Program」から資金援助を受けることになっている。契約期間は3年だが,契約金額など詳しい条件は明らかにしていない。なお,米Lucent Technologiesの米Bell Labs(ベル研)が有機TFT用の新素材と設計手法の開発で協力するという。

 「この共同開発では,DuPont社の持つ有機LEDディスプレイ・パネル/柔軟性のあるサブストレート/費用効果が高い電気配線プリントおよび有機TFTに関する技術と,Sarnoff社のアクティブ・マトリクスTFT設計とビデオ・ディスプレイ・システムにおける経験を組み合わせる」(Dupont社)

 Dupont社は,「プラスチックをベースとするディスプレイにより,工業製品などを設計する際に幅広い応用が可能となる」と説明する。「柔軟性を備える有機TFTの技術は,より低いコストで柔らかいディスプレイ・デバイスの製造を可能とするだけでなく,ディスプレイのバック・プレーンのコストを大幅に削減する可能性も持っている」(Dupont社)

 最新のポリマー素材を使うことで,高輝度/高コントラスト/高リフレッシュ・レートで視野角の広い有機LEDを製造できるという。有機LEDは自ら発光するので,液晶などを使ったディスプレイと異なりバックライトを必要としない。Dupon社は,「(バックライトが不要なことから)形状を薄くできるので,OEMなどは製品を差別化することができる」としている。

 DuPont社の子会社でディスプレイ技術を手がける米DuPont Displaysは,「有機TFT技術は2007年に利用可能となる」とみている。同社は,カリフォルニア州サンタ・バーバラにある試作用ラインを改造し,2004年末までに柔軟性のあるポリマー・ベースの有機LEDディスプレイを製造できる体制にするという。

 「有機TFTには,ディスプレイ・パネル業界を,ガラスを使った莫大な資本を必要とする大掛かりな製造工程から,プラスチック・サブストレートによるはるかに低価格で生産性の高いものに変える見込みがある。この技術は,携帯用機器から大画面ディスプレイ,さらには超低価格ディスプレイや,商品のパッケージ上のバーコードといったものにも応用できるだろう」(Sarnoff社技術運営担当副社長のRay Camisa氏)

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