米Gartnerは米国時間3月26日,北米における無線LAN市場の今後の展望について調査した結果を発表した。それによると,北米の無線LANユーザーは2003年の420万人から,2007年には3100万人以上へと急増するという。Gartner社は「モバイル産業は無線LANの急速な普及によって,大きな収益機会を得る」,と予測している。

 Gartner社副社長兼リサーチ・ディレクタのKen Dulaney氏は,「広帯域接続を必要とするさまざまなアプリケーションが開発されている。今後5年間にホットスポットが10万カ所以上に設置されたとして,需要は十分に期待できる」と説明した。しかし,「ホットスポット・プロバイダは,無線LANを利用するユーザーが十分な数に達するまでの3~4年間は,大きな利益を見込めない」(同氏)という。

 Gartner社は,「プロバイダはすぐにでも802.11bを採用した事業展開をすべきだ」と忠告する。802.11bは,長期的に満足のいく性能を提供できるほか,ホットスポット・ユーザーの多くが利用する規格になるだろう。

 2004年初め頃に,802.11bから802.11aと802.11gへの移行が進む見通しだ。余った帯域幅は,VoIPやビデオ・ストリーミングなどに利用されるようになる。

 「2004年に802.11aの無線LANが成熟すると,802.11bネットワークより技術的に有利となる。802.11aは5GHz帯の電波を使用するため,Bluetooth機器や消費者向けデバイスで混雑する2.4GHz帯のような,干渉の可能性が少ない。データ転送速度も54Mbpsである。また北米では13チャネル,欧州ではそれを上回る数のチャネル数を提供できる」(Dulaney氏)

 なおGartner社は,2004年まで無線LAN導入の50%以上が,垂直市場で進むとみる。「無線LANは垂直市場のさまざまな場面でその価値を発揮できる。たとえば,教育分野ではWWWを使った授業が増加している。ヘルスケア分野では,移動が困難な患者のモバイル化に貢献できる。また,倉庫/製造分野では,効率的な在庫管理をリアルタイムで実現できる」(同氏)

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