米Lucent TechnologiesのBell Labs(ベル研究所)は現在,帯域幅の有効活用を目指し,新技術の開発に取り組んでいる。Lucent社が米国時間6月3日,アトランタで開催中のSUPERCOMMで明らかにしたもの。同社が“Bandwidth Recovery(帯域幅回収)”と呼ぶ研究の要となる技術である。

 「電気通信業界で成長が見込まれている分野に,とりわけネットワーク・サービスがある。Bell研は同分野の需要に応えるべく,過去2年間にサービス関連の研究費を4倍に増額した。当社の電気通信に関するノウハウを結集して,ネットワークの収益性と堅牢性の向上を実現する革新的な技術を開発中である」(Bell Labs,Research and Advanced Technologies事業担当社長のJeff Jaffe氏)

 Bell研が取り組んでいる技術は,「Mobius」「iOptimize」「Mascot」(いずれも開発コード名)。

 Mobiusは,強力なアルゴリズムを用いて既存のSONET/SDHインフラを最適化し,光ネットワークの効率性と利用率を向上する。「ハードディスクのデフラグを実行し,コンピュータの性能と処理能力を改善するのと似ている。より多くのトラフィックに対応するため,資本支出と運用コストの削減できる」(Lucent社)

 iOptimizeは,MPLSとATMネットワークの最適化を行う技術。MPLSのトラフィック・エンジニアリング機能を利用して,ネットワーク・リンクの切断時には新たなパスを使って自動的にリンクを復旧する。また,トラフィックを代替ルートに導いてどれくらいの帯域幅を開放可能か正確に算出できるほか,特定トラフィックのQoS(サービス品質)レベルを設定できる。

 Mascotは,ネットワークの必要条件を満たす最適なスイッチ構成を決定する。また,複数のスイッチを接続している場合は,機器と容量を有効活用できるようにルートの切り替えを行う。

 なお,Bell研は帯域幅回収技術のほかにも,DDoS攻撃対策,帯域幅の移送,BGP(Border Gateway Protocol)ルートの安定などに関する研究を進めているという。

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