ドイツのSAPは,CRM(顧客関係管理)ソフト「mySAP CRM」の最新版で,ガス,水道,電気といった公益事業向けの新機能を追加した。SAP社が現地時間11月25日に明らかにしたもの。「複数業務にまたがるビジネス・プロセスに対応させ,顧客サービスの合理化と,請求および売上げ管理システムを通じたエネルギ・データの最適化を行えるようにした」(同社)

 公益事業者は,商業および工業分野の顧客に関して,顧客の獲得,見積作成,契約交渉,販売促進マージンの決定,複数チャネルにおけるサービス提供など,販売プロセスをエンド・ツー・エンドで管理できるようになる。契約獲得後は,顧客やエネルギ消費に関するデータをバックオフィス・システムに自動的に送り,販売担当者が顧客に関する包括的なデータをリアルタイムで把握し,地域ごとに異なる請求および会計処理を自動的に行えるようにする。

 家庭向けには,販売管理機能を強化している。顧客のエネルギ消費パターンをもとに,エネルギ提供と請求書作成を行い,いつでも必要なデータを参照できるようにする。顧客サービス担当者は,自動的に抽出された販売データを閲覧し,レポート作成や分析に利用できるという。

 また,顧客やサービス・プロバイダとさまざまな方法でコミュニケーションをとれるように,コンピュータを用いた電話通信,電子メール,テキスト・メッセージ,Web通信などを含むインタラクション・センター機能を提供する。

 さらに,「SAP NetWeaver」のポータル機能を統合して,さまざまな部署,ビジネス・プロセス,異なるOS間でも情報を共有できるようにした。販売やコールセンタの担当者は,社内システムから販売機会,見積り,契約書,技術的情報,顧客の消費パターン,総売上高,会計処理といったデータにアクセスし,顧客やパートナー企業に最新の情報を提供できる。

 「mySAP CRMでは,生産性と顧客サービスを向上するためのさまざまな機能を追加した。事業者は同ソフトを利用することで,市場参入の時間を短縮し,規制解除が進む国際市場における競争力をつけることができるだろう」(SAP社Industry Solution Management Service Industries部門担当副社長の Klaus Heimann氏)

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