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 米Forrester Researchは米国時間1月7日,2004年におけるIT分野の動向と,産業別IT投資について調査した結果を発表した。2004年は,Linuxと海外アウトソーシングの成長が続くほか,企業が業績測定技術の導入に注力するという。また,IT投資が増加する産業分野は,ヘルスケア,旅行,消費者向けパッケージ商品(CPG)になる見通し。

 2004年は,無線ネットワーキングやVoIP技術が勢いを増し,シングル・サインオンのポータル構築が進む。一方,無線ICタグ(RFID)の利用は,一部の垂直業界に限られるという。

 IT分野の動向に関する主な調査結果は次の通り。

・データ・センター分野のLinux
 Linuxカーネル2.6のリリースは,ディストリビュータの成熟や対応アプリケーションの増加を後押しし,Linuxを新たな次元に引き上げた。2004年末には,Global 2000企業の約10%が,社内のネットワークOS(NOS)をWindowsからLinuxへ移行させる見通し。

・海外へのアウトソーシング
 海外にプログラミングなどの業務委託をする企業が,かつてない勢いで増加する。2004年にインドのITサービス市場は少なくとも30%成長する。

・IT資産とビジネス・プロセスの連携
 業績価値に基づいた測定基準,ポートフォリオ管理,ビジネス効率向上のための人事運用など,ビジネス・インテリジェンスを利用した業績測定が行われるようになる。

・世界規模の通信サービスの向上
 2004年は,企業がプロバイダと交渉するうえで有利な立場に立てる最後の年となる。比較的安定したネットワークを確立している企業は,2004年第3四半までに,好ましい取り引き実績があるプロバイダと1~2年契約を結ぶことを検討すべき。

・CRM(顧客関係管理)
 CRMライセンスによる売上高は,2003年に約20%減少した。CRM市場は,2005年まで5~10%の成長しか見込めない。

・サービス指向のアーキテクチャ
 企業のニーズに迅速かつ柔軟に対応できる,サービス指向のアプリケーション・アーキテクチャが主流となる。しかし,Webサービスの業界標準や動向は,2005年まで明確にならない。

 産業別のIT投資に関する調査結果は次の通り。

・ヘルスケア
 臨床ソフトウエアおよび医薬品の開発や,消費者に重点をおいた医療保険の提供など,ヘルスケア分野でITが果たす役割が増加している。2004年は,製薬会社の規模縮小にも関わらず,IT投資が続く見通しだ。また,保険の支払い請求処理業務の海外アウトソーシングが増え,臨床ソフトウエアの普及が進む。

・旅行
 サプライヤと旅行代理店の関係,流通,ITの用途など,旅行業界でさまざまな変化が起こるとみる。流通の効率化,手数料の削減,直接販売の増加などをめぐって,オンラインとオフライン旅行代理店間で競争が激化する。また,世界規模の予約ネットワークシステム(Global Distribution Systems)における規制撤廃が予定されており,航空会社が自由に運賃を設定できるようになる。

・消費者向けパッケージ商品(CPG)
 米Wal-MartによるRFIDの導入,グローバル・データ同期(Global Data Synchronization)への取り組み,製品ライフサイクル管理,広告などが,CPG業界のIT投資をけん引する。

・消費者向けデバイスとメディア
 米Dell,米Hewlett-Packard(HP),米Gatewayなどが率先する価格競争によって,パソコンの価格低下が継続する。米AOL Time WarnerのAmerica Online(AOL),米Microsoftのインターネット事業であるMSN,米EarthLinkといったISPは,ダイヤルアップ・サービスの利用者数が10%以上減少する。一方,ケーブル事業者は,ビデオ・オンデマンド(VOD),広帯域接続サービスのバンドル,高解像度番組の提供といった付加価値を提供し,衛星事業者に奪われたシェアを奪還する。

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