米ABIは米国時間1月22日,世界のビル内無線ネットワーク市場に関する調査結果を発表した。それによると,激しい競争などが追い風となり,ビル内無線ネットワーク市場は2009年に約13億ドル規模に成長する。

 しかし,さらに市場が成長するには,運用管理と導入コストの兼ね合いが課題となる。例えば,最もコスト効率の高いビル内無線ネットワークは「ニュートラル・ホスト」と呼ばれるモデルで,事業者はインフラ管理を手放さなければならない。

 無線事業者は当初,ニュートラル・ホスト・プロバイダを採用することに難色を示し,自社のネットワークをビル内に敷くという別の方法を検討し始めた。これには主として作業費用などの高い導入コストがかかる上,導入後のROIが把握しにくいという問題があった。

 最近では,事業者の関心が再びニュートラル・ホスト・モデルに向きつつあり,米InnerWirelessがロックフェラーセンターのコンコースに構内無線ネットワークを構築した例もある。

 「無線事業者は当初,ネットワークの管理をプロバイダに譲り渡すことに躊躇していた。しかしニュートラル・ホスト・プロバイダが,無線事業者との売り上げの分配についてより現実的な見解を持つようになったことなどから,ニュートラル・ホスト・モデルに活気が表れ始めている」(ABI社調査部門バイス・プレジデントのEdward Rerisi氏)

 今後,市場成長の恩恵を受ける会社は,必ずしも無線インフラ業界の大手企業とは限らない。米Andrew,米LGC Wireless,米PowerwaveのLGP Allgonなどが業界大手だが,注目株はInner Wireless社をはじめ,Mobile Access社やRadio Frame社などだ。また,インストール費用が事業者の支出の大半を占めることから,インテグレータも商機を期待できる。

 調査によれば,無線事業者はコンファレンス・センターや競技場などの大型施設では,自社所有のインフラを導入するが,比較的小規模の施設ではインフラを共有する方向で検討するようになる。また,構内で携帯電話やWi-Fi接続が使えることが施設のセールス・ポイントになるため,ビル内無線ネットワークの需要は高まるとみる。

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