米IPWirelessは,3.4GHz~3.6GHz帯に最適化した,次世代移動通信システム対応の広帯域無線製品の出荷を開始した。IPWireless社が米国時間3月9日に明らかにしたもの。商用広帯域無線サービスを提供するネットワーク事業者に向ける。「完全なモバイル環境を,ケーブルやDSL接続と同じ性能と価格で実現し,無線ネットワークを容易に構築できるようにする」(同社)

 同製品は,IMT-2000通信方式の一つであるUMTS TDD(Universal Mobile Telecom System Time Division Duplex)プラットフォームを基盤とする。大容量のトラフィックを処理可能で,導入が容易な基地局をはじめとするネットワーク・インフラと,ポケットサイズのプラグ&プレイ式モデムなどからなる。送信ダイバーシティといった機能により,NLOS(Non-Line-Of-Sight:見通し外接続)範囲を拡大し,初期費用を抑えることが可能。また,より低い周波数帯を利用するUMTS TDD製品と同様のエリアでサービスを提供できる。

 3.4GHz帯を用いる事業者の多くは10MHz以上の領域を確保しているため,大容量対応ネットワークをフル活用すれば,「最大80Mbpsの通信速度を実現できる」(IPWireless社)という。

 IPWireless社はこの2年ほど,1.9GHz~2.0GHz帯や,2.5GHz帯のMMDS向けに,UMTS TDD対応システムを出荷している。同システムは米国をはじめ,オーストラリア,ドイツ,マレーシア,ニュージーランド,ポルトガル,南アフリカなどで無線ネットワーク構築に利用されており,「DSLやケーブルと充分に競合できることは実証済みだ」(同社)

 「NLOS機能を持つプラグ&プレイ式広帯域無線システムに対する需要は好調であり,UMTS TDDが次世代移動通信規格として普及し始めていることが分かる。3.4GHz帯のネットワーク事業者は,当社の新しいUMTS TDD対応製品によって,新たな広帯域市場で好機をつかむことができる」(IPWireless 社CEOのChris Gilbert氏)

◎関連記事
広帯域無線アクセス網のWiMAX,加盟社数が過去5ヶ月で28社から67社に増加
IEEE802.16無線ネットワーク機器のテストと認定団体「WiMAX」に大手ベンダーが結集
「無線802.20規格がモバイル・インターネットの価格とパフォーマンスが大きく改善」,米調査
現実味帯びるモバイルADSL
米Intel,高速無線技術UWBおよびワイヤレスUSBに関する取り組みを発表
米Nextel,「ダウンロード速度最大1.5Mbps」の高速無線試験サービスを2月中に開始 
「2007年のUWB用LSIの出荷数は6300万個,現行のLAN技術を置き換える可能性が高い」,米社の調査
「2004年は広帯域接続と携帯電話の普及が加速する」,米社調査

[発表資料へ]