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 仏伊合弁のSTMicroelectronicsは,「Phase-Change Memory(PCM:相変化メモリー)」と呼ぶ新たな不揮発性メモリー(NVM)技術について大きな進展があったとスイスで現地時間6月16日に発表した。PCMはフラッシュ・メモリーよりも性能が高い可能性があるうえ,微細化に適しているので,STMicroelectronics社は「最終的にフラッシュ・メモリーを置き換えることもありうる」としている。

 PCMは,電力を供給しなくても記憶した情報を保持できるNVMの一種。NVMとして,現在はフラッシュ・メモリーが広く使われている。半導体メーカーはフラッシュ・メモリーの微細化を進めており,1990年から2000年の10年間でセルサイズは30分の1に縮小した。ただし,今後もこのペースで微細化することは難しいという。

 2001年にSTMicroelectronics社は,書き換え可能CDで利用されていた米Ovonyxの技術が半導体メモリーに応用できると判断。STMicroelectronics社は同じ年,「Ovonic Unified Memory」と呼ばれていた同技術のライセンスを取得するとともに,Ovonyx社と共同開発チームを立ち上げ,PCM技術の実用化に着手した。

 PCMは,加熱により2つの安定した状態(アモルファス状態と結晶状態)を切り替えられるカルコゲニドという物質を利用している。カルコゲニドの抵抗値はアモルファス状態にあると高く,結晶状態にあると低いことから,状態を切り替える(相変化を起こす)ことで1ビットの情報を表現できる。

 STMicroelectronics社はPCM技術の研究成果を2件の論文にまとめ,半導体関連の学会であるVLSI TechnologyとCircuits Symposiaで発表した。1件は,現在主流のLSI製造処理に組み込みやすいPCMのセル構造を紹介するもの。もう1件は,PCM技術で実際に製造した記憶容量8Mビットのメモリー・チップについてである。

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