米AT&Tと米McLeodUSAは,米国内の複数の州においてAT&T社の回線をBell系通信事業社からMcLeodUSA社に移行する方針で合意に達した。両社が米国時間7月6日に発表した。今回の取り決めを成立させるためには,監査機関から施設ベースの競争を支援するサポートが必要になるため,両社は同日,米国連邦通信委員会(FCC)に対して意見書を提出している。

 FCCへの意見書は,施設ベースの競争を支援し,Bell系地域電話会社の競争企業が,引き続き消費者と企業にサービスが提供できるようにする提案をまとめたもの。両社は,FCCの通信業界向け規制「Triennial Review Order」の一部として,これらの提案を盛り込むべきだと主張している。

 同意見書では,Bell系通信事業社のUNE-PからMcLeodUSA社のUNE-Lへのスムーズな移行を可能にし,UNE-Pの価格を2004年末まで据え置くこと,Bell系企業に引き続きDS0/DS1/DS3ループを競争企業に対して安定したコスト・ベースの価格で提供させることなどを提案している。また,トータル要素長期増分コスト(TELRIC)方式の料金など公正で妥当な条件のもとに,これら要素にアクセス可能になることは,Bell系事業者の競争企業が同市場で収益を上げられる唯一の方法だと主張している。

 AT&T社会長兼CEOのDavid Dorman氏は「これらの提案により,過去8年間に渡り存在する不健全な膠着状態を終結させ,通信事業業界における大きな混乱を防ぐことができるだろう」とコメントしている。

 「FCC委員長のPowell氏がしばしば採り上げる真の競争をもたらすために,FCCに提案した我々の主張は欠くことのできないものである」(McLeodUSA社会長兼CEOのChris Davis氏)

 両社はすでに市場におけるトライアルに成功している。両社の主張がFCCに受け入れられ,数年間変更されないことが保障された場合,AT&T社は同年第4四半期にMcLeodUSA社の回線に移行を開始する。

 FCCは,地域通信サービスの競争を促進する目的で,地域通信会社に対し競合相手に回線の開放することを義務付けた規則を設けていた。しかし,同年6月に連邦高裁により同規則が無効とする判決が下された。これを受け,AT&T社は,オハイオ州を始めとする全米7州において新規の個人向けの市内および長距離電話サービスから撤退することを6月23日に明らかにしていた。

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