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 「米国のほとんどの州が,何らかの業務を海外へアウトソーシングした経験がある」。IT関連業務に従事する人々の労働組合であるワシントン技術労働者連合(WashTech:Washington Alliance of Technology Workers)は,米国の州政府によるオフショア・アウトソーシングについて調査した結果を,米国時間7月14日に発表した。

 調査はWashTechが,ビジネスや政策に関する調査を行う米Corporate Research Project of Good Jobs Firstに依頼して実施したもの。

 今回の調査で,海外のベンダー(オフショア・ベンダー)18社が米国の少なくとも30州において,州政府が発注するIT業務の受注に力を入れていることが分かった。これら18社が,これまでに受注したアウトソーシング契約の合計金額は,約7500万ドルに達する。WashTechによると,「元政府職員を雇用したり,州選挙時に選挙資金を寄付するなどして,精力的にアウトソーシング契約の獲得に取り組んでいる」。

 米国では,民間企業による海外発注が米国人の雇用を奪っているとして,オフショア事業への風当たりが強まっている。このためオフショア・ベンダーは,州政府によるアウトソーシング契約の獲得に力を入れ始めているという。

 また州政府は,発注した業務が海外で処理されていることを知らない場合が多いという。米国企業に委託した業務が,海外へ下請けに出されることがあるからだ。また,オフショア・ベンダーがマーケティング目的で米国の住所を用いるケースも多く,州政府は米国企業とやり取りをしていると勘違いすることもある。

 米メディア(CNET News.com)によると,Corporate Research Project社ディレクタのPhilip Mattera氏は,「米IBMのように,自社で受注した業務を海外にアウトソーシングする企業もあり,オフショア・ベンダーによる実際の受注金額はさらに大きいはずだ」と指摘。「州政府はまず,発注した業務がどこで処理されているのか把握する必要がある」(同氏)と述べた。

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