米Microsoftは,欧州における同社の研究所とパートナが開発中のいくつかの技術を発表した。これら技術の紹介とデモは,同社がベルギーで開催する博覧会「Microsoft Research and Innovation Fair」において現地時間9月23日に行なわれた。

 今回の発表は,欧州の学会,政府機関,業界研究者とのコラボレーションを強調するもの。その成果として,スマートフォンでロボットのコントロールを可能にするグラフィカルなプログラミング言語,複数の無線デバイスで高速接続を可能にするモバイル・ホットスポット技術のプロジェクトなどが紹介された。

 「ICT(情報通信技術)は,欧州と全世界を通じて社会を変化させる強い影響力を持っている。ICT革新は,科学から医療,教育,ビジネス,政府機関などすべての分野において基盤となる,また継続的な利益をもたらす。Microsoft社は,パートナとしてICTの限界を押し上げ,リスボン・アジェンダの目的に沿って情報社会の可能性を解き放つことを目指す」(Microsoft EMEAのシニア副社長兼CEOのJean-Philippe Courtois氏)

 同博覧会において,ベルリン工科大学と同社の研究所Microsoft Research Cambridgeは,グラフィカルなプログラミング言語「Visual Robot Development Kit(VRDK)」のデモを行なった。グラフィカル・エディタは,マウス,キーボード,Tablet PCで容易に使うことができる。VRDKにより,パソコン,Windows Mobileベースのスマートフォンを使っておもちゃのロボットをコントロールして単純なタスクを実行させるようにプログラミングできるようになる。これは,学生の動機を高める効果が期待されるという。

 また,ケンブリッジの研究者は複数の無線技術を組み合わせることによりインターネット接続を改善したモバイル・ホットスポット技術のデモも実施した。

 その他ににも,Webcamベースのライブ・チャットなどで,フレーミング,3次元アニメーションのスマイリなどを使うコンピュータ・ビジョンをベースとするシステムの「i2i」,無線ブロードキャスト・システム,パソコンとモバイル・デバイスに高品質でインタラクティブなオーディオとビデオを配信する「ZCast」,動的に問題を診断するネットワーク技術,改ざん防止機能が付いたバイオメトリクス認証カード・システムなどが紹介された。

 また,同社は,欧州の研究者との協調を進めるための研究所「External Research Office」も紹介した。この研究所では,新しいコンピューティング・パラダイム,コンピュータ科学,社会中心型のアプリケーションの3分野に注力している。同社は,欧州においてMicrosoft Research Cambridge以外にも,ドイツのEuropean Microsoft Innovation Center,デンマークの開発センターにおいて,欧州の開発者達と研究を進めており,同社は,研究開発に2004会計年度だけで61億ドルを費やしているという。

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