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 米IBM,東芝,ソニー,ソニー・コンピュータ エンタテインメント(SCEI)がカリフォルニア州サンフランシスコで開催中の国際固体素子回路会議(ISSCC)において,次世代コンピュータ/デジタル家電向けマイクロプロセサ「Cell」(開発コード名)の技術情報を米国時間2月7日に発表した。試作プロセサの動作周波数は4GHz以上で,「浮動小数点演算の速度はスーパーコンピュータ並」(4社)という。

 Cellは,IBM社の64ビットPowerプロセサ・コアをベースとする新型プロセサ。IBM社,東芝,ソニーが2001年に開発計画を発表し,テキサス州オースチンに設立した共同研究所で設計/開発を進めていた。コアを複数内蔵し,浮動小数点演算の処理性能が高いという。

 試作プロセサの製造プロセス・ルールは90nmで,シリコン/絶縁膜構造(SOI)を採用。チップ・サイズは221平方mm,搭載コア数は8個,2億3400万個のトランジスタを集積した。動作周波数は最高で4GHzを超え,「最新のパソコン用プロセサに比べ,多くの用途で10倍高速な動作が可能」(4社)。

 さまざまなOSに対応しており,Linuxなど従来タイプのOSのほか,ゲーム機や家電向けのリアルタイムOSも利用できる。仮想マシン環境を構築してゲストOSを動作させれば,複数OSの同時実行も可能。

 同プロセサの試験生産は,IBM社がニューヨーク州イーストフィッシュキルの300mmウエーハ対応半導体製造工場で開始する予定。その後2005年中に,ソニー・グループが長崎工場で生産を始める。4社は同プロセサを「デジタル・テレビやホーム・サーバー,スーパーコンピュータまで,さまざまな用途に提供する」としている。

 IBM社は,同プロセサを搭載するワークステーションをSCEIと共同開発している(IBM社の発表資料)。 そのほかの製品は,2006年に,ソニーがブロードバンド・コンテンツ用ホーム・サーバーと高精細テレビ(HDTV)システムを,東芝がHDTVなどを利用可能とする(IBM社の発表資料)。

 また米Rambusは同日,CellプロセサがRambus社のメモリー・インタフェース技術「Rambus XDR」とバス技術「FlexIO」(開発コード名は「Redwood」)を採用したことを明らかにした。

 Rambus XDRは3.2G~8.0GHzの転送速度を実現可能な技術。FlexIOの転送速度は最大6.4GHzあり,現行の最も高速なプロセサ用バスに比べ4倍以上の帯域幅があるという。「両技術により,CellプロセサのI/O帯域幅は約100Gバイト/秒になった」(Rambus社)。Cell用インタフェースの詳細は2月9日にISSCCで発表する。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,試作Cellプロセサの動作周波数は4.6GHz,演算速度は256ギガFLOPS,内蔵メモリーサイズは2.5Mバイトという。

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2005年のコンシューマ向け技術トレンド

[発表資料(IBM社,東芝,ソニー,SCEI)]
[発表資料(Rambus社)]