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 Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏は,Linuxカーネルのソースコード管理システム「BitKeeper」の使用をやめ,ほかのシステムに移行する方針を発表した。同氏が米国時間4月6日に,Linuxカーネルについて議論するメーリング・リスト「Linux kernel」への投稿で明らかにしたもの。

 BitKeeperは,米BitMoverが開発したシステム。Linuxカーネル開発において,「多くの人々はBitKeeperを,単にできがよく高速な匿名CVSクライアントとして使っているのだろう」(同氏)

 現状について,同氏は「唯一はっきりしていることは,代替システムを選定する必要があるので,“BitKeeperを中心システムとして使わない”と決めただけ」と述べる。

 米メディア(CNET News.com)は,この件について以下のように報道している。

・BitMover社創立者のLarry McVoy氏は,「現在BitKeeperの管理下にあるリポジトリには1万種類以上のLinuxカーネルが存在し,1500人以上の開発者が活動に参加している」と見積もる

・Torvalds氏は2002年にBitKeeperを導入し,中央リポジトリなしに大勢のプログラマが協調して作業できる機能を評価している。なお2004年3月付けのBitKeeperに関するニュース・リリースのなかで,Torvalds氏は「生産性が2倍以上に高まった」と発言した

・BitMover社はBitKeeperを商品として販売しているが,Linuxカーネル開発活動には無償提供している。ただし,オープンソースとしてはいない。先ごろ同社は方針を変更し,Linuxプログラマ向けには製品版よりも機能が少ないバージョンを無料で提供するとしていた。同バージョンは,現在活動に参加しているすべてのLinuxプログラマに対応できるだけの処理能力はないという

・自動化率の低い電子メール・ベースの別システムに移行すると,Linux開発速度は落ちる可能性がある。しかし「現在も数多くの変更作業を電子メールで効率的に処理できているので,開発速度の低下はないだろう」(米Robert Frances GroupアナリストのStacey Quandt氏)とする意見もある

・Torvalds氏は「代替候補としてMonotoneが有力」と述べたという

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[発表資料(Torvalds氏の投稿)]