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 ソフトウエア業界団体のBusiness Software Alliance(BSA)は,2004年における世界の海賊版ソフトウエアに関する調査結果を,米国時間5月18日に発表した。米IDCに依頼して実施した調査によると,世界87カ国で使用されている海賊版ソフトウエアの割合は35%で,前年から1ポイント減少した。しかし,その損害額は前年の290億ドルから330億ドルへと増加したという。

 損害額が330億ドルへと増加した一因として,ソフトウエア市場が前年から6%拡大したことや,米ドルの下落などが挙げられるという。

 2004年の商用ソフトウエアに対する支出は590億ドルで,2003年の510億ドルから増加した。一方で,実際にインストールされたソフトウエアは900億ドル分以上に相当し,前年の800億ドル分を上回った。

 BSA議長兼CEOのRobert Holleyman氏は,「海賊版ソフトウエアが,ライセンス費,税収,雇用,ソフトウエア市場の成長などに及ぼす被害は深刻で,経済に大きな打撃を与えている」と指摘した。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・海賊版が占める割合は37カ国で減少,34カ国で増加,16カ国で横ばいとなった

・調査対象となった87カ国の半数以上で,海賊版が占める割合が60%を超えた。24カ国ではその割合が75%以上に達した

・海賊版が占める割合が最も高い国はベトナムで92%。ウクライナ(91%),中国(90%),ジンバブエ(90%),インドネシア(87%)が続く

・海賊版が占める割合が最も低い国は米国(21%),ニュージーランド(23%),オーストリア(25%),スウェーデン(26%),英国(27%)など

・世界におけるパソコン出荷台数の3分の1以上は,アジア太平洋地域,中南米,東欧,中東,アフリカなどの新興市場によって占められる。しかし,これらの国がソフトウエアに対する支出で占める割合はわずか10分の1である

 同社によると,海賊版による損害額は,ソフトウエアの市場規模と大きな関係がある。例えば,米国で海賊版が占める割合は21%と最も低いが,損害額は最多の660億ドルで,それに次ぐ中国(350億ドル)の約2倍に相当する。「海賊版の割合が低くても,大規模なソフトウエア市場を持つ国では損害額が必然的に大きくなる」(BSA)

 また,IDC,チーフ・リサーチ・オフィサのJohn Gantz氏は,「海賊版が最も横行しているのは,コンピュータの利用が,家庭から職場や日常生活へと拡大している地域や国々」と説明する。「しかし,新興市場のアラブ首長国連邦(UAE)では,知的財産権に関する法整備が奏功し,海賊版が占める割合はわずか34%である。新興市場の中で唯一,海賊版の割合が低い上位20カ国に名を連ねている」(同氏)

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