米Digimarcは,電子透かし技術が米ハリウッドの大手スタジオ7社が組織する合弁事業「Digital Cinema Initiatives(DCI)」が定めるデジタル映画システム仕様「Digital Cinema System Specification」の要件に加えられたことを米国時間7月28日に明らかにした。

 DCIは,米Disney,米Fox,米Paramount,米Sony Pictures Entertainment,米Universal,米Warner Bros.が設立した合弁事業。Digital Cinema System Specificationは,米国内と全世界に広がる映画館に向けてデジタル・シネマ・システムの普及を支援するためにデザインされた業界ガイドライン。一定のレベルのセキュリティ,配給,パフォーマンス,信頼性,品質管理の実現を目的としている。

 同仕様によれば,Digimarc社の電子透かし技術は,デジタル映画のビデオと音声ストリームの両方に導入されるため,映画館,ロケーション,製造バージョンの識別が可能になるとともに,その映画が特定の劇場で上映された日時さえ分かるようになる。

 Digimarc社企業ライセンス/マーケティング/公共政策担当副社長のReed Stager氏は,「安全なデジタル配給を実現する要件は,デジタル映画の普及を阻む弱点のひとつとなっていた。配給要件にデジタル透かしを組み込むことにより,映画業界は自信を持ってデジタル映画を世界の映画館に配給できるようになった」とコメントしている。

 米映画協会(MPAA:Motion Picture Association of America)は,映画の海賊版によってエンタテイメント業界が年間30億ドルの損害を被っていると推定している。電子透かし技術は,デジタルからアナログに変換されても識別できる。そのため,MPAAがもっとも一般的な海賊行為として挙げている,映画館で従業員や観客が小型ビデオ・カメラを使ってスクリーンを録画するという違法行為にも対応できるという。

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