米Hewlett-Packard(HP)は米国時間8月17日,2005年会計年度第3四半期(2005年5~7月期)の業績を発表した。売上高は前年同期比10%増の208億ドル。GAAPベースの純利益は1億ドル(希薄化後の1株当たり利益は3セント)で,前年同期の6億ドル(同19セント)から88%減少した。
GAAPベースの営業利益は9億1300万ドルで,同条件の希薄化後の1株当たり利益は3セントだった。
非GAAPベースの場合,純利益は11億ドル(希薄化後の1株当たり利益は36セント)で,前年同期の7億ドル(同24セント)から50%成長した。
なお非GAAPベースの数値には,HP社が第3四半期および第4四半期に,海外における利益145億ドルを本国に引き上げないと決定したことに関連して生じた,課税後の調整費用9億8800万ドルを含まない。
■2005年会計年度第3四半期の業績(前年同期との比較) 2005年会計年度 2004年会計年度 第3四半期 第3四半期 伸び率 売上高 208億ドル 189億ドル 10% 非GAAPベースの営業利益率 5.7% 4.5% GAAPベースの営業利益率 4.4% 3.5% 非GAAPベースの純利益 11億ドル 7億ドル 46% GAAPベースの純利益 1億ドル 6億ドル -88% 非GAAPベース希薄化後EPS 36セント 24セント 50% GAAPベース希薄化後EPS 3セント 19セント -84% 出典:HP社
地域別にみると,米大陸の売上高は前年同期比8%増の90億ドル,欧州/中東/アフリカ(EMEA)は同10%増の82億ドル,アジア太平洋地域は同15%増の35億ドルとなった。
事業別の業績は,企業向けストレージおよびサーバー事業は前年同期比20%増の40億ドル。Industry Standard Servers部門の収入が同28%増,Business-Critical Systems(BCS)部門が同7%増,ネットワーク・ストレージ部門が同15%増となった。とりわけ,BCS部門の「HP Integrity」サーバーが好調で,前年同期比113%増と急伸した。
個人向けシステム事業の売上高が前年同期比8%増の64億ドル。出荷台数が同14%増加した。デスクトップ・パソコンの収入は同3%増加し,ノート・パソコンは同21%拡大した。
サービス事業は前年同期比10%増の38億ドル。マネージド・サービス部門は同21%増,テクノロジ・サービス部門は同7%増,コンサルティングおよびインテグレーション・サービスは同12%増となった。
ソフトウェア事業は前年同期比11%増の2億4900万ドル。「HP OpenView」による収入が同13%増加し,「HP OpenCall」による収入も同5%増加した。
画像処理およびプリンティング事業の売上高は,前年同期比5%増の59億ドルだった。
HP社CEO兼社長のMark Hurd氏は,「当期の売上高は,2ケタの成長率を達成できた。また,主要分野の営業利益率が着実に伸びているほか,キャッシュフローも堅調だ」と説明する。
HP社は,2005年会計年度第4四半期の見通しも明らかにした。売上高は224億ドル~228億ドルの範囲,非GAAPベースの1株当たり利益は44セント~47セントと見込む。なお同予測には,無形固定資産の償却による1株当たり3セントの課税後費用,および人員削減による1株当たり22セントの課税後費用を含まない。
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