「IT革命からいかなる新産業が生まれ、いかなる社会制度、社会機関が生まれるかはわからない。しかし絶対とまではいかなくともかなりの確率をもって予測できることがある。それは今後20年間に、相当数の新産業が生まれることであろうことである。しかもそれらのほとんどは、IT、コンピュータ、データ処理、インターネット関連ではないであろうことである」。

 IT、コンピュータ、データ処理、インターネット関連の産業は、いずれも「情報」を扱う産業だが、主役というよりは黒子のような存在である。これらの産業は、情報を処理するインフラストラクチャを提供するだけであり、実際の価値創造は、情報を扱う最終顧客が受け持つからだ。

 つまり、企業でいれば、製造業、流通業、金融業、サービス業が主役であり、IT関連企業は黒子として、こうした主役の情報処理を支援する役回りになる。そもそも企業内の情報システム部門が黒子であるわけで、情報システム部門に協力するIT関連企業も黒子であって当然である。

 誤解されると困るので、念のため書いておくが、黒子というのは悪い意味ではない。黒子がいないと舞台は成立しない。ただしスポットライトは主役が浴びる。