最近はあまり見かけなくなった言葉に「デジタルデバイド」がある。パソコンなど情報機器を入手できない、あるいは使いこなせない人と、十二分に使っている人との間に情報格差が生じるという話である。人にとどまらず、国家間の格差を意味することもある。あまり関心がないテーマであったのだが、実は自分自身がデジタル音痴であることにようやく気付いた。

 気付いたきっかけはいくつかある。一つは家電量販店に行ったことである。拙宅から自転車で20分くらいのところに、かなり大きな家電量販店ができた。週末に家族を連れてのぞきに行った時に、並んでいる商品の大半を理解できないことが分かった。もともとその手のデジタル機器に関心が無かったせいもあるが、ここ数年の変化をまったく知らなかったので、店頭の商品を見ても商品同士の差がよく分からないのである。

 ちなみに三種の神器と言われる、薄型テレビ、デジタルカメラ、DVDレコーダーのいずれも筆者は持っていない。拙宅にあるデジタル機器というとパソコンくらいである。ビデオカメラもデジタルであったような気がするが、単にテープを入れて撮影しているだけで編集など一切しないから、デジタル機器を使っているという意識はまるでない。

 取材で外歩きをするときもデジタル機器は持たない。携帯電話、デジタル録音機、コンパクトデジタルカメラ、PDA、あるいは音楽プレーヤー、どれ一つとして買ったことも持ったこともない。時折、若手記者と取材に同行すると、彼らはこうした機器をすべて持っていたりする。

 携帯電話は嫌いだが、その他の機器には別段悪印象を持っていない。よって何か買ってみようと思うものの、どれがよいのかさっぱり分からないので結果として何も買っていない。家族は「液晶テレビやDVDレコーダーが欲しい」と言ってくるが、これまた何を買うべきかまるで分からないので、結果として彼らの意向を無視している。

 さらに昨日、デジタル音痴を再認識することが起きた。ある方から、シャープペンシル、黒と赤のボールペンなどを一本にまとめたペンをいただいた。実はこのペンは4番目の機能がある。パソコンディスプレイの絵が描いてある面を上にしてノックすると、ペン先のようなものが出てくる。しかし何も書けない。

 そのペンを下さった方に、「これは何ですか」と聞いたところ、「PDAなんかに付いているパネルを押すものです」と教えてくれた。なるほどと思ったが、筆者にとっては無用の機能である。ただわざわざこうした機能を入れるところを見ると、普段の生活や仕事の中でタッチパネルを押す人がたくさんいるのであろう。

 このペン自体は持ちやすく、デザインもよい。ただし使えない第4のペンを持っているのはちょっと悔しい。それではPDAを買うか。どう考えても使いこなせないので、やはり買わないと思う。デジタル音痴のままである。