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 JavaOne2日目のメッセージは「Javaでデジタル・デバイドを解消しよう」である。米サンフランシスコで開催中のJava開発者会議JavaOneで,Sun Microsystems社のScott McNealy会長兼CEOは基調講演の演台に立ち,「デジタル・デバイドの解消がSun創立以来のテーマだ」と語った。インターネットやJava技術を使い,社会インフラをよりよくする事に開発者の力を貸して欲しい,と訴えた。特にITインフラの整備が必要な分野として医療と教育の2つを挙げた。

 事例として,ブラジル政府が構築した医療情報システムを紹介した。Javaベースのアプリケーションを構築し,「電子カルテ」を中心とする医療情報システムの恩恵を全国民が享受できるようにしていく。貧しい国でも,Java技術は生活の改善に利用できるという実例である。「このシステムはオープンソース。同じく医療問題で悩んでいるアフリカ諸国でも使って欲しい」(Brazilian National Health SystemsのCTO,Fabiane Nardon氏)との発言に,JavaOne参加者は大きな拍手を送った。

 もう一つの社会インフラは教育である。McNealy会長は教育機関の情報システムが不自然なほど分断されている現状を指摘,「SOAがこの状況を救える」とした。

 「デジタル・デバイドの解消」は慈善事業ではない。ITインフラのベンダーであるSunは,社会インフラ分野を企業情報システム以上に巨大なシステム需要として捉えているのだろう。「この世界には,IPネットワークはおろか,電話すら使ったことがない人々が大勢いる」(マクネリ会長)。企業情報システム向けの技術がコモディティ化して付加価値が下落していくことにITベンダーの多くが危機感をつのらせていが,それを吹き飛ばすような新需要がまだ世界にはある,という訳である。

 JavaOne2日目のサプライズは,Sun Microsystems社がSeeBeyond社を3億8700万ドルで買収することで合意したというニュースである。SeeBeyondの製品であるコンポジット・アプリケーション構築ソフトICAN SuiteとSunのアプリケーション・サーバーJava System Application Serverを組み合わせ,SOA(サービス指向アーキテクチャ)のためのインフラとする。Sunにとっては,この買収によりSOA戦略を進めるために必要なソフトウエア・スタックの「穴」が埋まったことになる。

 (星 暁雄=日経BP Javaプロジェクト)