『日経マーケット・アクセス』(http://ma.nikkeibp.co.jp/)と『日経コンピュータ』が2001年5月~6月に調査*1した結果,国内主要企業の多くはインターネット・ビジネスのシステム開発や運用を委託したベンダー企業に総合的に満足しているものの,費用やデザイン・センスなどについては比較的低い評価をしていた。総合的に見た満足度は「非常に良い」と「やや良い」が合わせて73.7%(ポイント換算*2で59.8点)に上ったのに対して,企画・構築費用の安さでは,この比率が47.3%(同49.6点)と半数に満たなかった。ユーザー・インタフェースなどのデザイン・センスがあるかどうかも47.7%(同49.3点)にとどまった。開発に要する期間の短さも「非常に良い」と「やや良い」を合わせて58.6%(同53.5点)で,費用やデザイン・センスに比べれば評価は高いが総合満足度には及ばない。
 ベンダーに対する評価はグループごとに差が付いた。コンピューター・メーカーとその系列インテグレーターの総合満足度はポイント換算で59.5点。一方,インターネット専門のベンチャー企業は同64.4点と約5ポイント上回った。特に大きな差が付いたのは費用や開発期間である。費用の安さはベンチャー企業が72.2点に上ったのに対して,メーカー系は44.5点にとどまった。ベンチャー企業は大企業での実績こそ少ないが,コスト・パフォーマンスの高さや小回りがきく点が重宝されている様子だ。

ネット・ビジネス実施企業の44.1%が何らかのトラブルを経験

 今回の調査ではインターネット・ビジネスの開発などにおけるトラブル*3の発生状況も尋ねた。インターネット・ビジネスを既に実施している企業のうち,44.1%は比較的軽いものを含めて何らかのトラブルを経験している。最も多かったのが「予定よりも開発期間が超過した」の30.0%。次いで「予定よりも費用が超過した」(27.4%),「開発過程で機能の変更や追加を余儀なくされた」(25.7%)である。トラブル内容はベンダーの評価で低かった項目と重なっている。短期開発が求められるインターネット・ビジネスのシステムでは,要件定義とプロジェクト管理の巧拙が利用企業の満足度を大きく左右する。

(松井 一郎=日経マーケット・アクセス)

*1調査の方法:国内の上場/店頭公開企業と非上場で年商200億円以上(卸,小売りは500億円以上)の全企業(7448社)を対象に,2001年5月9日~6月6日に郵送方式で調査し,1766社から回答を得た(回収率は23.7%)。回答企業の35.1%が製造業で,28.4%が従業員1000人以上の大企業である。なお本リリースに関連した調査結果は,『日経コンピュータ』の2001年7月16日号のほか,『日経マーケット・アクセス』に掲載する。
*2 ポイントは各項目における「非常に良い」,「やや良い」,「やや劣る」,「非常に劣る」の4段階評価に対して,順に「100」,「66.7」,「33.3」,「0」の重みを付けて求めた平均値である。仮に「非常に良い」と「非常に劣る」,「やや良い」と「やや劣る」が同数だとすると50点になる。
*3 ベンダーの責任によるトラブルかどうかについては限定していない。

図1