世界の大型TFT液晶ディスプレイ・モジュール*1の生産は数量ベースでは好調だが,金額ベース*2では前年割れが続いている。『日経マーケット・アクセス』(日経MA,http://ma.nikkeibp.co.jp/)が調査したところ,2001年第1四半期に続き第2四半期も対前年同期比24%減と大幅に下がり25億700万米ドルとなった。第3四半期も同19%減の28億5100万米ドルと縮小傾向が続く。通年の生産金額は110億米ドルで,対前年比17%減になると予測している。マイナス17%という数字はこの5年間では最悪のものである。

生産額は2年前の水準に低下

 生産量は伸びているのに金額が落ちているのは,単価が大幅に下落しているからである。ノート型パソコンや液晶モニター向けの大型TFT液晶モジュールは,1年前と比べるとほとんどの画面サイズで半額となった。
 価格下落が激しいため生産量がいくら上がっても生産額は増えない。2001年第2四半期の大型TFT液晶ディスプレイ・モジュールの生産量は過去最高になるが,その生産額はちょうど2年前の1999年第2四半期に並ぶ水準でしかない。しかも画面サイズは大型化が進んでいるのでTFT液晶メーカーは苦しい状態が続く。
 しかし,価格はようやく下げ止まり感が出てきた。価格がこのまま横ばいで推移し,生産量が順調に伸びていけば,第4四半期には生産額も2000年並みには回復しそうだ。ただし,それもすべては米国市場が鍵を握る。液晶モニター向けの生産は好調で,このままのペースで伸びていけば前年比倍増の1400万台になりそうだが,そのためには米国で液晶モニターの普及が本格化するのが不可欠である。ノート型パソコン向けは,米国に依存する部分がさらに大きい。パソコン・メーカーは第4四半期に需要が急増すると見込んだ生産計画を立てている。TFT液晶メーカーもそこに期待せざるを得ない。米国市場への依存度があまりに高く,米国の景気回復が遅れるようだと,第4四半期の生産数量は第3四半期から横ばいあるいは減少になる可能性もある。

(中村 健)

*1 10.4インチ型以上の大型TFT液晶ディスプレイ・モジュールを対象としており,ノート型パソコンや液晶モニター向けなどが主要応用機器である。
*2 各サイズ別のディスプレイ・モジュールの平均価格に生産枚数を掛けて生産金額を算出している。
日経マーケット・アクセスでは,大型TFT液晶ディスプレイ市場について,詳細な調査報告書を発行している( http://ma.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/ma_frm/LCD2001/index.html?indexを参照)。

図1