ビデオリサーチネットコムが,自宅でインターネットを利用している全国6600人を対象に実施している「インターネット・オーディエンス調査」の2001年9月分の結果によると,WWWサイトの視聴率(リーチ)*1)は,上位5ドメインの顔ぶれは変わらなかったものの microsoft.comを除く4ドメインのリーチがいずれも低下した(図1)。米国時間9月11日朝発生した同時多発テロの影響でニュース・サイトへリーチが一部流れたことが理由の一つに挙げられそうだ。その中でmicrosoft.comへのリーチが上昇したのは,9月上旬に配布が始まったIneternet Explorer 6のダウンロードや,猛威をふるったコンピューター・ウイルスNIMDAへの対策に,アクセスが増加したためと見られる。

Topics:米国同時多発テロ,ニュース・サイトは上昇,民間航空はダウン,旅行代理は変わりなし

 今回は米国同時多発テロによってニュース・サイトや民間航空会社,旅行代理店の視聴がどう変化したのかを追った(図2,図3)。

 主要ニュース・サイトは9月11日の週(9月10日~16日)のアクセスが軒並み上昇した。日本の新聞社系サイトではリーチが0.6~1.4ポイント上昇した。CNN(日本語)サイトの上昇幅も対前週比1.2ポイントと同程度だったが,通常のCNNは0.6%程度のリーチなので,テロ発生によって3倍近いアクセスを獲得した格好だ。米国発のニュースに対するCNNのネーム・バリューの大きさがうかがえる。

 一方,国内民間航空3社は事件のあった週と翌週はアクセスが減少した。事件後3週目にはana.co.jpとjas.co.jpが上昇したのに対して,jal.co.jpは引き続き減少した。各社の動きはばらついている。

 また旅行代理店業はそれほど影響が見られなかった。今後の海外旅行プランがテロによってどのような影響を受けるのかを調べるユーザーのアクセスがあったことに加え,秋の国内旅行シーズンの予約にはやや早めの時期だったことが理由と考えられる。

(岩井 有=ビデオリサーチネットコム)


自宅からのリーチ上位5サイトの推移(2001年9月の上位5サイト,2001年4月~9月)

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参考図表(会員ページからアクセス可能)

表1●自宅からのリーチ上位100ドメイン(2001年9月)

 
図2●米国同時多発テロ前後9週間におけるニュース・サイトのリーチ(2000年7月30日~9月30日)

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  図3●米国同時多発テロ前後9週間における国内民間間航空会社と旅行会社のリーチ(2000年7月30日~9月30日)

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【自宅からのWWW視聴率について】:2001年7月分から日経BP社調査部(調査対象者1750人)に代わりビデオリサーチネットコム(同6600人)の調査結果を採用した。
 視聴率の調査方法は,日経BP社調査部,ビデオリサーチネットコムともほぼ同じである。いずれもWindows 95,Windows 98,Windows NT,Mac OS 7.6以上のOSを使い,家庭で1週間に1回以上WWWを利用したユーザーを対象に実施した。NTT情報流通プラットフォーム研究所が開発した視聴率集計用ソフトウエアInfoGatherを調査対象者のパソコンにインストールし,WWW視聴行動の記録をサーバーで集計した点も同じ。

*1)リーチとは,ある一定期間に特定のドメインやWWWページを視聴した人の割合(%)。広告分野で使われる「累積到達率」(一定期間に広告を見た人の割合)と同様の概念である。今回は各月に1回以上***.**.jpドメイン(第3レベル・ドメイン,サーバーが米国にある場合は***.comなど)下のWWWページを見た人の比率を,そのドメインのリーチ(%)とした。