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 米Microsoft社は2002年3月27日,同社が推進する「.NET Framework」の一部の開発環境と実行環境のソース・コードを公開した。具体的には,.NET Frameworkの代表的な言語「C#」のコンパイラ,C#のプログラムを実行するのに必要なライブラリ群「CLI(Common Language Infrastructure)」のソース・コードを同社のWebサイトでダウンロード可能にした。

 注目されるのはWindowsだけでなく,Free BSDの環境で稼働するソース・コードも公開したこと。C#で開発したプログラムがWindowsだけでなくFree BSD上でも利用できる。このFree BSD版はMicrosoftが出資したカナダCorel社に開発を委託した。

 C#とCLIのソース・コードは「MICROSOFT SHARED SOURCE CLI, C#, AND JSCRIPT LICENSE」というライセンスにのっとり提供する。前提として非営利での利用に限っている。例えば,同ライセンスでは教育機関で授業や研究に活用したり,個人の実験を用途として挙げている。また,書籍にソース・コードを収録したCD-ROMをバンドルしたり,Webサイトで配布することもできる。ソース・コードを改変して配布することも許している。ただし改変したソース・コードの著作権を主張することはできない。

 MicrosoftはすでにC#とCLIの仕様をECMA(欧州電子計算機工業会)に提出している。この仕様をもとに,C#とCLIの互換版をオープン・ソースの形態をとって開発しているプロジェクトもいくつか発足している。例えば,米Ximian社が2001年7月に開始した「Mono Project」もその一つである。

 MicrosoftによるC#とCLIのソース・コード公開は同社が2001年5月に発表したオープン・ソースに関する取り組みSSI(Shared Source Initiative)の一環である。すでにWindows CE 3.0やCE .NETのソース・コードの一部を公開している。SSIはあくまでも開発者や研究者,SIベンダによるユーザ・サポートなどを対象としている。この点では自由に入手して,商用にも利用できるGPL(GNU General Public License)など一般的なオープン・ソースのライセンスとは性格が異なる。

(市嶋 洋平=日経バイト)