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 OSが標準対応しなかったこともあり,苦戦を強いられてきた無線インタフェース「Bluetooth」。ようやく一筋の明かりが見えてきた。米Microsoft社のハードウェア開発者向け会議WinHEC 2002基調講演で,同社会長兼チーフ・ソフトウェア・アーキテクトのBill Gates氏が「2002年後半にWindows XPをBluetoothに対応させる」と宣言したのだ。「BluetoothとIEEE802.11はともに重要な技術だ。どちらか一方を選ぶことはできない」とBluetoothへの対応に注力することを開発者に向けて強調した。

 OSだけではない。ハードウェアでも後押しする。同社は2002年内にBluetooth対応のキーボード,マウス,およびUSB接続のBluetoothアダプタを出荷開始する。

 Bluetooth対応を強調するのは,同社がエンドユーザの使い勝手を向上させるため「ケーブルの撤廃」をうたっているため。Gates氏は2001年のWinHEC 2001で,パソコンと周辺機器の技術革新がハードウェア同士の連携を促し,生態系のような相乗効果を発揮するという「PC Ecosystem」を提唱した。しかしケーブルで「つなぐ」作業をすると,ユーザが無意識にさまざまな利便性を享受できる自律性のような相乗効果は生まれてこない。これを実現する基盤となるのが,Bluetoothと無線LAN,および自動設定を担うプロトコル「UPnP(Universal Plug and Play)」というわけだ。WinHEC 2002のあるセッションでは,パソコンのスピーカをワイヤレス接続にしようという提案さえあった。

 さらに今回の講演でGates氏は,蓄積されたシステム・クラッシュ時の情報をデバイス・ドライバ開発者が閲覧できるWebサイトを開設したことを明らかにした。Microsoftだけでなく,開発者もエンド・ユーザからの情報をデバイス・ドライバの改良に役立てることができる。Windows XPが新たに備えた,システムが停止したときのパソコンの情報をMicrosoftに送信する機能を利用して集めたものだ。

 Gates氏は「これまで紹介してきた技術を世に出すための協力を期待している。開発者の方々の努力に感謝したい」と開発者に呼びかけて講演を締めくくった。内容はやや地味だった観のある講演ながら,拍手が鳴り止むまでには例年よりも時間がかかっていた。

(高橋 秀和=日経バイト)