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 Linuxは「ディストリビューションによって微妙に違ってトラブルが起きる」という問題を内包してきた。Linuxが持つ選択の自由と裏腹の関係にある課題である。例えば設定ファイルをどのディレクトリに格納するかなど,ディストリビューションによって違いがあった。これまでにも1998年に設立されたLinux Standards Associationなど,Linux共通化の動きはあったが,そのすべてが立ち消えとなってきた。だが企業システムで基幹業務に使うOSとしては,差異のために無駄な手間がかかるのは問題である。

 こうしたなかでブラジルConectiva,独SuSE Linux,米The SCO Group,ターボリナックスのLinuxディストリビュータ4社は2002年11月19日,共同で開発していたディストリビューション「UnitedLinux V.1.0」の発売を発表した。「UnitedLinux」は企業向けのLinuxディストリビューションとして,同年5月から4社が共同開発していた。

 UnitedLinuxはその開発元の企業を見ればわかるように,元々国際化されたOSとなっている。例えば言語ロケールとして利用できるのは10カ国語(英語,日本語,簡体中文,ハングル,ポルトガル語,スペイン語,イタリア語,ドイツ語,フランス語,ハンガリー語)に上る。ディストリビューション・ベンダ4社はこの「UnitedLinux V.1.0」を共通基盤とし,それぞれ独自のアプリケーションやサポートの権利などを追加して自社製品として販売する。例えば,ターボリナックスは「Turbolinux Enterprise Server 8“Powerd by UnitedLinux V.1.0”」という名称で販売する。価格は未定で,12月20日頃に投入する。

 4社はディストリビューション開発のほか,サード・パーティの開発したソフトウェアや周辺機器の動作の検証にも共同で取り組む。これによって,UnitedLinuxで利用できるソフトウェアやハードウェアの数を増やしていく。UnitedLinux V.1.0のコードはバイナリ形式では提供されないが,ソース形式がUnitedLinuxのWebサイトから入手できるようになる。

(市嶋 洋平=日経バイト)