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 米Microsoft社は2003年4月24日,サーバーOSの新版「Windows Server 2003」の出荷を開始した。HTTPの処理をカーネル・モードに移すなどアーキテクチャを一新したWebサーバー「IIS 6.0」,バックアップ・イメージを瞬時に作成する「ボリューム・シャドウ・コピー」など一部機能を除けば,マイナー・バージョンアップといった印象が強い。むしろMicrosoftが注力したのはセキュリティ強化策。IISをデフォルト無効にするなど勝手にいろいろなものが動くのを避けるようにしたり,1カ月かけてセキュリティ・ホールを洗い出す作業などを実施した。この効果が明らかになるのは,出荷開始からしばらくたった後になる。日本語版の出荷時期は未定だが,同年5月下旬から6月上旬になる見込みである。

 Windows Server 2003には,以下のバージョンがある。大規模向けの「Windows Server 2003 Datacenter Edition」(32ビット版と64ビット版)と「Windows Server 2003 Enterprise Edition」(32ビット版と64ビット版),中小規模向けの「Windows Server 2003 Standard Edition」,Webサーバーに特化した組み込み向け「Windows Server 2003 Web Edition」,同社製サーバー製品との統合パッケージ「Windows Small Business Server 2003」。Windows Small BusinessServer 2003のみ,Exchange 2000 Serverの後継版「Titanium(開発コード名)」を同梱するため,その開発が終わる2003年第3四半期に出荷を開始する予定。ちなみにExchange 2000 ServerはWindows 2003 Serverでは動かない。

 価格はオープンだが,Microsoftによる推定小売価格は以下の通り。Windows Server 2003 Enterprise Edition(クライアント・アクセス・ライセンス数は25)が3999ドル,Windows Server 2003 Standard Edition(同10)が1199ドル,Windows Server 2003 Standard Edition(同5)が999ドル。Windows Server2003 Datacenter EditionとWindows Server 2003 Web Editionはサーバーへの組み込み提供のみ。なお,すでに発売を始めている米Hewlett-Packard社のWindows Server 2003 Web Editon搭載機のOS価格は399ドルとなっている。

 MicrosoftはWindows Server 2003出荷の時期に合わせて,2003年4月18日にサーバー製品群のブランド名を「.NET Enterprise Servers」から「Windows Server System」に改めている。.NET中心のマーケティングを後退させ,Windows Server 2003を基盤とすることで性能を発揮するサーバー製品群を前面に押し出した格好になる。Windows Server 2003との同時出荷を果たしたのは,データベース「SQL Server 2000 Enterprise Edition(64-bit)」と開発環境「VisualStudio .NET 2003」の2製品。

 「SQL Server 2000 Enterprise Edition(64-bit)」は米Intel社の64ビットCPU「Itanium 2」がプラット・フォーム。物理メモリーの最大搭載量を64Gから512Gバイトにし,UNIXサーバーに劣っていたキャッシュによるデータベース入出力処理を強化した。また,SQL Server 2000 Enterprise Edition(64-bit)はWindows Server 2003と組み合わせてクラスタリングの最大ノード数を4から8に増やせる。Visual Studio .NET 2003は,.NET Framework 1.1と携帯情報機器向けのサブセット「.NET Compact Framework」を組み込んだマイナー・バージョンアップ版。Visual Studio .NETユーザーには無償で提供される。

(高橋 秀和=日経バイト)

米Microsoft社