ジャストシステムは2003年6月12日,情報共有ソフト「GrowVision」を発表した。ユーザーが所属する組織やプロジェクトの業務内容に応じて,文書群を自動分類してユーザーに提示するのが特徴。文書ファイルの記述内容に加えて,作成,更新,参照といった履歴も参照して分類に反映させる。特に検索のノウハウがなくても類似性のある業務に関係する文書群を検索できるようにする。全文検索主体の情報共有システムが抱えていた,(1)ユーザーが選ぶキーワードの巧拙によって効果が異なる,(2)検索結果の文書が作成された背景にある業務内容が共有情報として生きない,という欠点を克服するのがねらいだ。GrowVisionでは「この流れで業務を進めてくれればいいのに,というノウハウを伝えられる」(ジャストシステムの浮川和宣社長)という。

 GrowVisionは,文書を内容の類似性によって分類・検索する同社の全文検索ソフト「ConceptBase」を中核にしている。自動分類の軸は大きく二つある。組織やプロジェクトやフロアなど,ユーザーのグループ単位で分類した「ワークプレース」と,文書の集合を文書ファイルに対する参照や変更履歴といった作業内容で分類した「プラクティスシート」である。ツリー状に表示された分類結果をたどったり,分類結果であるプラクティスシートやそれに含まれる文書(プラクティス)をクエリーとして別のワークプレース/プラクティスシートを検索する,といった方法でユーザーの置かれた状況に応じた文書群を探せる。

 分類に使う属性は,メールや表計算といった文書ファイルをXML文書に変換した内容に加え,ユーザーが所属する組織やプロジェクト,業務にもたらした結果などを属性として埋め込む。XML文書に埋め込む属性の種類はユーザーの組織や業務内容によって異なるため,「初回出荷版では顧客の組織形態や業務ごとに定義する。今後は顧客のフィードバックを基に標準的な業務内容をパッケージ化することを考えている」(ジャストシステム技術戦略室の植松直也室長)。

 GrowVision導入後は,既存の文書ファイルのXML文書への変換に加えて,GrowVisionのクライアントの入力フォームによって検索対象の文書を追加する。その際,あらかじめ定義した入力フォームに対して,エンドユーザーが自動分類に適した属性を入力する必要がある。適切な属性の入力を支援するツールとして,同社のかな漢字変換ソフト「ATOK 16」にチェック機構を追加した「ATOK 16 GrowVisionエクステンション」を使う。例えば,エンドユーザーのフォーム入力時に,「競合」といった単語を含む文書をATOK 16 GrowVisionエクステンションで入力すると「競合会社」と「競合製品」という属性を合わせて入力するように促す。

 2003年7月11日に出荷を開始する。価格は50ユーザーで750万円から。対応OSはRed Hat Enterprise Linux ASとWindows 2000 Server。今後はTurbolinuxとSolarisに対応する予定。ただし対応OSとするOS以外のプラットフォームであっても,J2EEの実行環境を備えるものであれば案件ごとに個別対応するという。

(高橋 秀和=日経バイト)

ジャストシステム