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 セイコーエプソンは2003年9月25日,インクジェット・プリンタの新モデルを発表した。今回の目玉は,最上位機種「PX-G900」で顔料インクを使いながら光沢感のある写真並みの品質の印刷を可能した点。同社は普通紙ににじみ無く印刷できることと耐水性をセールス・ポイントにした「PX-V700」を2003年2月から出荷しているが,光沢感のある印刷ができなかった。


 顔料インクは,インクジェット・プリンタで一般的な染料インクと違い,紙の表面に色材がくっついて発色する。このため,普通紙でもにじまずにきれいに印刷できるし,耐水性も高い。表面に色材が残るため,その乗り方によって凹凸ができて乱反射する。このため,光沢紙など平らな表面の紙に印刷しても,光沢のない印刷物になってしまうという課題があった。


 そこで,セイコー・エプソンは(1)色材を包むコーティング樹脂を高密度化し,(2)透明インクを採用することにより顔料インクで写真のような印刷を可能にした。(1)の高密度化により紙の上に付着したインクの並びを均一にし,光沢感が出るようにした。(2)はインクの密度が小さい部分やインクが乗っていない部分に透明インクを乗せることで全体の並びを均一にするものだ。


 また,シアン,マゼンダ,イエロー,フォトブラック,マットブラックに,レッド,ブルーを加えて,7色にすることで色空間を広げた。インク滴は1.5ピコリットル。価格はオープン・プライスだが,4万5000円程度になる見込み。


 このほか,新たに開発した経年変化の少ない染料インクを採用したインクジェット・プリンタ「PM-G800」「PM-G700」と,顔料インクを使った低価格機「PX-V600」も発表した。PM-G800とPM-G700はいずれも6色インクを採用している。最大の違いは,前者のインク滴が1.5ピコリットルであるのに対し,後者が3ピコリットルである点。また,前者のみロール紙に対応する。PX-V600は,インク滴の大きさは3ピコリットルで4色インクを採用した。価格はすべてオープンだが,PM-G800が3万円前後,PM-G700が2万円前後,PX-V600が1万5000円程度になる見込み。


 また,デジカメを直接接続して画像を印刷できる「PM-D750」(2万5000円程度)と,さらにスキャナ機能を統合した複合機「PM-A850」(4万円前後)も発表した。いずれも染料インクを採用した。

(中道 理=日経バイト)