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 アッカ・ネットワークスが40Mビット/秒のADSLサービスを開始する予定であることが明らかになった。開始時期は未定。40Mサービスはイー・アクセスが2003年11月5日から開始すると発表しており,これを追撃する。

 アッカの40Mサービスはイー・アクセスと同様に26k~3.75MHzまでの周波数帯域(Quad Spectrum)を使って増速する。ちなみに,現在各社が提供している24M~26Mビット/秒サービスでは26kHz~2.2MHzまでの帯域を使用している。Quad Spectrumを利用した場合の実効最大速度の理論値は50Mビット/秒程度。しかし,アマチュア無線に干渉しないようにその部分の帯域をカットすると理論上の約40Mビット/秒になる。

 速度向上が期待できるエリアは限定的になるものと見られる。「26Mサービスよりも大幅に高速化できるのは伝送損失が10~15デシベルのユーザーに限られる模様。距離換算すると局舎からの線路長が1km以内のユーザーがこれに該当する。1km以内のユーザーはユーザー全体の1割弱でしかないため,一部のユーザーにしか意味が無いサービスと考えている」(アッカ・ネットワークスの関係者)。

 さらにアッカは,現在1Mビット/秒の上り速度を3Mビット/秒にしたサービスも予定している。こちらは,40Mサービス用ADSLモデムのファームウェアをアップグレードすることで利用可能になるという。「40Mビット/秒サービスは一部のユーザーにしか意味が無いので上りを3Mビット/秒にすることで魅力あるものにする。3Mビット/秒の速度が見込まれるのは線路長で約1km以内。2.7km以内のユーザーまでなら従来より速度向上が望める」(アッカ・ネットワークスの関係者)。

 上りの高速化は,上りの利用帯域を広げることで実現する。従来のADSLでは26k~138kHzまでを上り,それより高い周波数帯域を下りに利用しているが,3Mビット/秒サービスでは,上りに使う帯域を26k~276kHzまで広げる。このために,下りの帯域と上りの帯域の一部が重なる。重なった部分はエコー・キャンセラ技術を使って解決する。

 ただし,下りの帯域を使って上りの信号を送ると,他のADSL回線の下りの通信に大きな干渉を及ぼす可能性がある。というのも,ユーザー宅で送り出した上りの信号は強いが,NTT局舎から送り出された下りの信号はユーザー宅近くでは弱くなっているからだ。ユーザー宅近くの回線束では上り3Mビット/秒サービスの上りの信号が他のADSL回線の下りの信号に影響を与えるかもしれない。

 この干渉をどのように扱うかは,TTC(情報通信技術委員会)で決める必要がある。TTCの決定次第では上り3Mビット/秒サービスは“幻のサービス”になるかもしれない。

(堀内 かほり・中道 理=日経バイト)