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 ついに800gを切るB5ノート・パソコンが登場した。ソニーは2003年11月12日,B5ノート・パソコン「バイオノート505」シリーズ2機種を発表した。重さは店頭販売向けの「PCG-X505/P」が825g,同社の直販向け「PCG-X505/SP」で785g。薄さはPCG-X505/PおよびX505/SPとも9.7~21mm。バイオノート505シリーズの原点に立ち戻った感がある。

 800g前後の重さを実現できたのは,主として外装の材質の工夫による。825gのPCG-X505/Pでは,カーボンにニッケル合金を蒸着した「ニッケル強化カーボンモールド」を液晶パネル背面と本体底面に採用した。ニッケル強化カーボンモールドはマグネシウム合金と同等の剛性・比重でありながら,しなやかで耐衝撃性に優れるという。785gのPCG-X505/SPで採用したのは,レーシング・カーなどで使われるカーボンファイバの積層板。0.1mm厚のカーボンシートを繊維の方向をずらしながら6枚積層した素材を採用した。これによりPCG-X505/Pからさらに40g軽量化した。

 薄さは,筐体内で部品の重なりを極力少なくして実現した。一般にノートパソコンでは,キーボードの下に部品を配置する。しかしPCG-X505では,キーボードの下に部品を配置しないようにした。部品は筐体後部に集め,お互いが重ならないように向かって左側に1.8型ハードディスク,中央にマザーボード,右側にPCカード・スロットを配している。2.5インチ型のMDメディア程度のスペースにマザーボードを収めるため,抵抗やコンデンサーなどの電子部品に携帯電話で使われる0.6×0.3mm角の小型部品を採用した。CPUの熱を拡散させる放熱板(ヒートシンク)も工夫した。熱伝導材として使われるシート状のグラファイト素材を金属製のヒートシンクの代わりに使い,CPUの熱を筐体で拡散させている。

 もっとも見切った機能も少なくない。例えば,アナログモデムと無線LANは内蔵しない。モデムは別売のPCカード,無線LANは標準添付のPCカードによる拡張で対処する。側面にコネクタを設置するスペースがないため,ディスプレイ接続端子とEthernetコネクタは付属する拡張ボックス経由での利用となる。

 PCG-X505の設計思想は,コスト削減の優先度を下げ,質感と機能を優先するソニーの「QUALIA」ブランドに通じるものがある。「PCG-X505はQUALIAブランドの製品ではないが,流れる思想は同じ」(ソニー IT&モバイルソリューションズネットワークカンパニー VAIO商品開発本部の島田啓一郎本部長)。予想実売価格はPCG-X505が30万円前後,PCG-X505/SPが35万円前後と,1kg前後のB5ノートパソコンと比べて5万~10万円程度割高だ。

(高橋 秀和=日経バイト)

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