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 無線ICタグの専門イベント「RFID Journal Live! 2004」が米国シカゴで3月29~31日に開催された。その展示会場では,独自の技術を使って通信距離を長くした無線ICタグが注目を集めていた。米Impinj社とイスラエルのPower Paer社の製品である。どちらも無線周波数としてUHF帯を使う。

 Impinjは,書き込み時でも読み出し時とほぼ同じ8m以上(米国の場合)の距離から通信できる無線ICタグ「Zuma」を展示していた。Zumaは2004年3月23日に発表したもので,量産開始は2004年6月の予定である。

 メモリーとしてEEPROMを採用する現在の主な無線ICタグは,書き込み時の通信距離が読み出し時よりも短い。EEPROMは書き込み時の消費電力が大きいため,読み出し時よりもタグをリーダーに近づけないと必要な電力が得られないからである。Zumaで採用する同社独自の不揮発性メモリー「AEON」は,「書き込み時でも消費電力が低いという特徴がある」(Product Line DirectorのDimitri Desmons氏)。このため遠い距離からデータを書き込める。

【2004年4月16日訂正】記事掲載当初,上記二つの段落において米Impinj社の製品名が「Zima」とありましたが,正しくは「Zuma」でした。おわびして訂正します。【以上,訂正】

 Power Paperの無線ICタグ「PowerID」は,金属や水があっても長い通信距離を確保しやすいという特徴がある。金属や水の影響を受けると,無線ICタグはリーダーからの電力を受けにくくなり通信距離が短くなる。そのタグの起電力不足を補うため,PowerIDは同社独自の電池を内蔵する。その電池の特徴は「印刷技術により実装できるためコストが安いことと,厚さ0.5~0.7mm程度と薄いこと」(Power Paper, Strategic MarketingのElan Freedberg氏)という。PowerIDのように,電池を内蔵しながらリーダーから電力を受けて動作する無線ICタグを「セミパッシブ型」と呼ぶ。従来からの電池内蔵のアクティブ型が「10ドルだったのに対して,PowerIDは1ドル以下で提供できる」(Freedberg氏)という。サプライチェーン管理の用途を狙い,2004年4月にサンプル出荷する。

(安東 一真=日経バイト,RFIDテクノロジ)