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 イー・アクセスは2004年4月21日,TD-SCDMA(MC)を用いる実験の概要を公表した。今回の発表は,2004年4月15日に同社が総務省よりTD-SCDMA(MC)の実験局予備免許を取得したのを受けたもの。予備免許は機器設置のための免許で,機器設置後,実験局の本免許が与えられ,実験を始められる。

 この実験は,現在総務省がデータ通信サービス用に割り当てを検討している2010M~2025MHzの帯域でのサービス開始をにらんだもの。同社は従来からADSLのような高速・定額のモバイル通信サービスの提供を希望している。

 TD-SCDMA(MC)の実体は米Navini Networks社のMCSB(Multi-Carrier Synchronous Beamforming)である。500kHz幅ごとに,5MHzで最大10波を使う。「第一に指向性を持つスマート・アンテナを標準で使うので電波利用効率を高められる,第二に下りだけでなく上りの同期を取るので他端末との干渉を最小限に抑えられる,第三に搬送波当たりの帯域幅が狭いので信号処理が容易になる,という三つの特徴によって効率よくデータを伝送できる」(イー・アクセスの諸橋知雄新規事業企画本部長)という。
 
 イーアクセスは2004年5月15日頃までに機器の設置を完了し実験を始める予定。実験局はまず東京都港区虎ノ門にある同社の本社ビルに設置する。その後,渋谷区と新宿区に基地局を設置し,合計3局で実験する。実験期間は約1年間の予定。電波特性の評価やスループット特性を評価する。将来的には,一般モニターを募集して,ユーザーの利用形態(利用場所/目的/時間など)を調べたいという。

 なお,今回実験用に総務省から割り当てられた周波数は,2000M~2005MHz帯。これは2010年前後にサービス開始が見込まれる移動体衛星通信サービス用の帯域である。短期間の利用ということで,この帯域を割り当てられた。「2010M~2025MHz帯で実験をしたかったが,すでに他の事業者がTD-CDMA実験に使用しているため,申請する周波数帯を変更した。総務省から許可が下りれば2000M~2005MHz帯を含む15MHz幅の帯域で実験したい」(諸橋本部長)という。

(中道 理=日経バイト)