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 米Microsoft社は2004年5月5日,WinHEC 2004のセッションでハードディスクの消費電力を削減するキャッシュ機構を公開し,ハードウェア開発者に採用を呼びかけた。不揮発性のフラッシュ・メモリーを書き込みキャッシュとして使い,書き込みキャッシュが一杯になるまではモーターの回転を止める。読み出し時に対処するため,ハードディスクのデータを積極的にメモリーにキャッシュする先読み機構をLonghornに搭載する。

 キャッシュ・メモリー自体は珍しいアイデアではないが,比較的安価で大容量化が容易なフラッシュ・メモリーを利用するところがミソだ。Microsoftの調査によると,一般的なノートパソコンにおけるハードディスクの消費電力は平均2W程度。モーターが回転しないアイドル状態では0.18W程度に低減する。そこで128Mバイト容量のフラッシュ・メモリーを書き込みキャッシュとして使って実験したところ,平均1.75Wに削減できたという。フラッシュ・メモリーの容量を128Mバイトとしたのは,一般的な使用場面における書き込みデータの総量は,1時間当たり100Mバイト未満である場合がほとんどであるためだという。

 課題はフラッシュ・メモリーの価格と寿命。まず価格は時間が解決する見通しを示した。現在のペースでフラッシュ・メモリーの低価格化が進むなら,128Mバイトの書き込みキャッシュをハードディスクに実装するコストは2006年に4ドル,2008年に2ドル程度で済む。寿命については使い方に依存する。60分でフラッシュ・メモリーが一杯になる使用状況を1日10時間,年間250日続けて40年持つからだ。ただし10分おきにフラッシュ・メモリーが一杯になる使用状況を1日24時間365日続けると,1.9年で書き換え回数の上限に達する試算だという。

(高橋 秀和=日経バイト)