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 イー・アクセスは2004年6月14日,高速無線技術TD-SCDMA(MC)のフィールド試験の測定結果を公表した。TD-SCDMA(MC)は,ADSLのような高速通信の無線版として同社が総務省のIMT-2000技術調査作業班で推進している。同年5月28日に,実験局の本免許を取得しており1年間の予定で実験を開始すると発表していた。

 基地局は一基のみで,半径2km地点で三つの端末(モデムを接続したノートパソコン)の通信速度を測定した。上りと下りの通信速度を同じにした場合,下りの平均セクタースループット(基地局当たりで処理できる通信速度)は4.65Mビット/秒だった。1台当たりの通信速度は,セクタースループットを端末数で割ったものになる。今回の測定では3台の端末を使ったので,1台当たり834kビット/秒~2.22Mビット/秒ほどのスループットが得られた。プレス向けのデモでは,速度測定サイトで約1.12Mビット/秒の通信速度を示していた。

 TD-SCDMA(MC)は米Navini Networks社が開発した技術「MCSB(Multi-Carrier Synchronous Beamforming)」である。TDD(Time Division Duplex:時分割複信)と呼ぶ方式で,同一の周波数帯域で下りと上りの通信をする。指向性を持つスマートアンテナを使い,帯域幅が狭い複数の搬送波でデータを送る。拡散コード数が多く,多くの端末が同時に通信できるため周波数の利用効率が高いのが特徴である。

 今後は,基地局を3台に増やして広域での実験を計画している。移動中に経由する基地局が変わるハンドオーバーの実験も実施する。また,現在は上りと下りに割り当てる通信時間が同じだが,トラフィックが多い下りに割り当てる時間を増やすことで,上りと下りを非対称にした実験も可能である。非対称の実験も実施していくようだ。