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 総務省が2004年11月4日に開催した「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」において,新規参入を考える各事業者の考え方が明らかになった。今回の検討会では,1.7GHz帯、2GHz帯、2.5GHz帯という新規の周波数帯域の割り当てについて意見陳述を実施した。意見陳述したのは,既存事業者3社(NTTドコモ,KDDI,ボーダフォン)および新規事業者4社(アイピーモバイル,イー・アクセス,ソフトバンク,平成電電)。この中で,新規事業者が要求する周波数帯および帯域幅の違いが明確になった。

 検討会で議論されている1.7GHz帯(1710~1885Hz)はFDD方式(上り用と下り用の帯域をそれぞれ必要とするためペアになる周波数帯を確保する)用。総務省はこのうち15M~20MHz幅×2程度を2006年頃には全国で,これに加えて最大20MHz幅×2を東名阪地域で使えると公表している。2GHz帯(2010~2025Hz)というのは,TDD方式(上りと下りを同じ帯域を使って通信する)用。2.5GHz帯(2500~2690Hz)については2005年に国際的な利用方法が確定し,日本においては25M~45MHz程度をFDDまたはTDD用に確保できる見込みという。

 アイピーモバイルは,1.7GHz帯は15MHz幅×2を新規事業者1社に,2GHz帯は15MHz幅を新規事業者1社に割り当てるべきとの考えを示した。同社はTDD方式であるTD-CDMAの実証実験を進めており,2GHz帯を獲得したい考えである。

   イー・アクセスは1.7GHz帯については10MHz幅×2を新規事業者2社に割り当て,2GHz帯については15MHz幅を新規事業者1社に割り当てるべきと主張。同社は,1.7GHz帯および2GHz帯のそれぞれで参入を検討をしているが,1.7GHz帯が本命である。もし1.7GHz帯で周波数を獲得できた場合は2GHz帯でのサービス提供はしないという。ただし1.7GHz帯でW-CDMAとCDMA2000のどちらの技術を使うかは決めていない。2GHz帯ではTD-SCDMA(MC)と呼ぶTDD方式の技術検討については優先度が低いものの続けるという。

 これら3社と根本的に異なる主張を唱えたのが,ソフトバンク。同社は総務省が既存事業者用としている800MHz帯と,800MHz帯の移行用として考えられている700/900MHz帯も含めて,既存事業者と新規事業者を一緒にして公平に割り当てを検討すべきと主張。具体的に同社は電波特性的に使いやすい800MHz帯の10MHz幅×2を基本として使い,1.7GHz帯の10MHz幅×2を補助用として併用したい考えを表明した。2GHz帯についての要望はなかった。

 なお,2.5GHz帯については技術的な方式や使用できる帯域幅が明確ではないため,具体的な要望はなかった。今後検討すべき事項の一つとして,1.7GHz帯,2GHz帯,2.5GHz帯の周波数帯をどう割り当てるべきかが問われたが,「留保すべき」,「異なる新規事業者に割り当てるべき」,「周波数帯域別に考えるべきではない」など,意見が分かれた。

(堀内 かほり=日経バイト)