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 IDF Spring 2005の二日目,午後のセッションでモバイル向け次世代プラットフォーム「Napa(開発コード名)」に盛り込む新技術に関するブリーフィングがあった。性能に関しては大きく二つ。まずNapaのCPU「Yonah(開発コード名)」にマルチメディア命令の実行効率を強化する「Digital Media Boost」を盛り込む。チップセットのCalistogaはグラフィックス機構を統合しており,その性能を2倍に向上させる。小型化に関しては無線LAN機構「Golan(開発コード名)」において,基板の大きさを縮小したほか,「Advanced Thermal Manager」の搭載により温度管理を緻密にし,排熱処理が厳しい薄型の筐体を実現可能にする。バッテリ駆動時間に関しては「デュアルコアでも消費電力は増えない」(副社長兼Mobile Group General Manager,Mobile Platform GroupのMooly Eden氏)。

 これらのうちDynamic Power Coordinationは,PLL(フェーズロック・ループ)と電源を二つのコアが共有することから発生する問題に対処する。Pentium Mはその稼動状況によって,C0からC4までの五つの駆動状態を動的に変える。例えばC4ではディープ・スリープ状態,C3ではスリープ状態,C2ではクロックを止めた状態,といった具合である。ところがクロックの供給をつかさどるPLLや,コアにかける電圧は一つのため,どちらかのコアががんばって動いている状態だと停止状態にできない。二つのコアがそれぞれC0からC4までの状態を持ち,両方のコアが協調して同じ状態を取りえるときに,プラットフォームとしての状態を変化させる。逆に言えば二つのコアにできるだけ同じ負荷がかかるようにうまく按配しないと,片方のコアに供給する電力が無駄になってしまうということでもある。

 またDigital Media Boostは,これまで実現できていなかったSSE/SSE2といったマルチメディア拡張命令でもMicro Ops Fusionを実現した。Micro Ops Fusionは,x86命令を内部的に置き換えたMicro Opsのレベルで,同時に実行できる命令を組み合わせて見かけ上命令を融合させてしまう技術。またSSE命令のデコーダの効率改善や,SSE3という拡張命令を新たに追加した。

(北郷 達郎=日経バイト)