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 米Freescale Semiconductor社とカナダIcron Technologies社は2005年6月23日,既存のUSB 2.0機器を無線化するアダプタを試作したと発表した。無線技術には最大7.5GHz幅の広帯域を使って通信するUltra Wideband(UWB)を採用。パルスの有無によって0と1を判別するインパルス型のUWB(DS-UWB)を使う。USBポートを備えるパソコンと周辺機器にそれぞれアダプタを接続することで,20mの距離で最大110Mビット/秒でデータ転送できるという。アダプタの大きさはUSB接続のフラッシュ・メモリー程度と小型。今後はUSB 2.0と同じ480Mビット/秒を確保できるアダプタの開発を進め,2005年後半の製品化を目指す。

 UWBにはもう一つ,無線LANなどでも使われているOFDMを超広帯域に拡張したOFDM型(WiMedia UWB)がある。OFDM型のUWBを使う無線版USBとして,米Intel社や米Microsoft社などが参画する業界団体「Wireless USB Promoter Group」が2005年5月24日に「Wireless USB 1.0(WUSB 1.0)」仕様の策定を終了。最大データ転送速度は,3mの通信距離でUSB 2.0と同じ480Mビット/秒,10mで110Mビット/秒。現在USBの標準化団体USB-IFが標準化と機器認定の作業を進めている。製品化は2005年末の見込みだ。

 DS-UWBとWiMedia UWB。2005年後半から2006年にかけて,二つのUWB技術が市場に混在することになる。DS-UWBは情報家電での採用や既存のUSB機器の無線化で先行,パソコン向けチップセットで主導的な立場にあるIntelが推すWiMedia UWBは2006年以降にWUSBとしてによって多くのパソコンに搭載される見込みだ。

 デファクト・スタンダードの座を争う動きの背景には,現在IEEE802.15.3a作業部会において作業中のUWBの標準化がある。どちらかの仕様に一本化するのではなく,二つの仕様を物理層として標準化し,その上位層のプロトコルで統一する方向だ。物理層の分裂はほぼ確定したため,実績作りとデファクト・スタンダードの座の確保を目指し製品化に踏み切る。

(高橋 秀和=日経バイト)

米Freescale Semiconductor社
カナダIcron Technologies社